2021 Fiscal Year Research-status Report
調理実習授業において求められる教師の授業・管理スキルの検討
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18K02529
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
山本 奈美 和歌山大学, 教育学部, 教授 (20351934)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 家庭科 / 調理実習 / 実習室管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、調理実習授業を担当する教師に求められる多面的なスキルの様相を明らかにするために、実際の授業場面で求められる授業スキルと、授業運営の前提としての実習教室の管理スキルを設定した。新型コロナウイルス感染拡大防止への対応として調理実習の授業実施が困難な状況が続いており、再開のためには衛生管理の徹底、換気、実習の人数や形態など、実習室管理や授業運営の面からの新たな課題が予想されたことから、予定していたアンケートに調査項目を追加して実施し、その一部は学会にて報告した。 2020年度に調理実習の授業を実施できていたのは小学校では約半数、中学校では2割であったが、2019年度までは1クラスあたり年3~4回実施が半数程度と最も多く、そのほとんどがグループ実習であった。7割近くの学校で家庭科以外の授業でも実習室を利用し、複数の教員が使用するにもかかわらず使用のためのルールを作成している学校は2割弱で、6割の学校は作成していなかった。実習室の主な管理者は家庭科の授業担当者のほか、小学校では管理職との回答もあった。小学校の場合、家庭科の教員免許を有する者は少なく、中学校でも半数以下であった。引き継ぎや研修、教員養成段階での学習の機会は必ずしも保障されておらず、実習室の管理は児童・生徒の安全や衛生的な調理のために必要であると認識されているものの、およそ半数は必要な管理ができているかどうか自信を持てていなかった。日常的な清掃や消耗品、調理用具等の交換・補充に比べると設備の点検・修繕や予算に関わる項目での実施率は低く、長期的な視点での実習室の維持管理に課題があると推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大防止への対応として、調理実習の授業そのものが実施困難な状況が続いており、小中学校への訪問調査も実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染拡大防止への対応として調理実習の授業実施が困難な状況が続いており、再開のためには衛生管理の徹底、換気、実習の人数や形態など、実習室管理や授業運営の面からの新たな課題が予想されたことから、予定していたアンケートに調査項目を追加して実施した。期間を延長して分析を続けるとともに、実習が再開できた学校を把握できたため、訪問での調査対象として抽出し、より詳細を把握する予定である。
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Causes of Carryover |
調査実施の遅れにより、次年度使用額が生じている。研究期間を延長し、進捗を図りたい。訪問調査時の旅費や記録用機器の購入のほか、調査協力校への報告書作成にも使用し、調査結果の還元を図る。
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Research Products
(1 results)