2019 Fiscal Year Research-status Report
The study about model development of GAP(Global Action Program) which is integrated with global and local sustainable issues
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18K02549
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
浅野 由子 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (80508325)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 若者 / 地域 / サステイナブル / 持続可能性 / グローバル / ローカル / NPO / 有機的 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、GAP(グローバルアクションプログラム)の中でも、若者や地域の活動について、ウプサラ市と岡山市で、調査した。岡山調査は、計4回の調査訪問が出来た。ESDやSDGsの視点から、スウェーデンの保育・教育実践を春と秋2回報告し、操公民館の子育て支援サークルのワークショップ、岡山市が主催するESDカフェ(於 環境事業団体アスエコ)で、地域の保育士、学童指導員、大学教員、大学生、高校生、市民、NPO団体の方々との学術交流を行う機会を得た。インタビュー調査は、NPO団体「ありがとうファーム」(誰も残さない社会SDGsに向けての障害者教育や自立支援)、「JKNOTE」(若者が主体で地域活性化に関する高校生の取り組み)、「だっぴ」(大学生の地域活性化に関する取り組み)で実施した。参与観察調査も、前述の3団体他、特別支援を必要とする児童の為の学童保育で行った。岡山大学主催のGAP国際教師教育会議(11月)岡山市主催のSDGs会議(2月)にも参加し、地域力を強力にしている数多くの公民館やNPO団体、学校や企業との連携の取り組みを口頭発表やポスター発表にて包括的に把握することが出来た。岡山大学地域総合センター(AGORA)で、インタビュー調査を行い、大学における「地域学」に関する教材やカリキュラムについて詳しく知ることが出来た。スウェーデンのウプサラ市では、SWEDESD(スウェーデン国際ESDセンター)で開催されているワークショップの追跡調査を行い、グレタ・テュンベリが始めたフライデーデモ(毎回同じ広場で集う集会)に参加する、特に若者にインタビュー調査を行った。ウプサラ市の地域活動の奨励事業は、自治体のSDGs戦略から、企業や学校、NPO団体が有機的に結びつくシステムが構築されていることが自治体の持続可能(サステイナブル)課へのインタビュー調査からも明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
岡山市とウプサラ市の若者や地域の持続可能性に関する奨励事例を市役所の力を借りて入手することが出来、インタビュー調査や参与観察調査を順調に行うことが出来た。昨年度の調査で、主に文献調査やインタビュー調査で得られた政策的な支援(トップダウンのアプローチ)と若者や地域の活動(ボトムアップのアプローチ)が、如何に有機的あるいは無機的に結びつき、グローバルあるいはローカルの持続可能な活動、つまり環境、経済、環境のバランスに貢献しているのかについて、分析・考察中である。スウェーデン語の資料翻訳やインタビュー調査データーの翻訳に時間を要しているが、日本の調査の分析・考察と比較検討しながら、研究を進めている。アンケート調査による統計的データーや参与観察調査による観察データーも収集するとより説得力のある研究となるが、今後の課題としている。
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Strategy for Future Research Activity |
ワークショップ参加後の参加者へのアンケート調査の統計的データー収集やワークショップへの参与観察による観察記録の収集と分析・考察も必要である。コロナ・ウイルスの事態により、ワークショップやイベントの開催自粛が危ぶまれており、ネット上でのオンライン会議の様子等も必要であれば追跡して、データー収集することも検討している。また新しい時代を創造する若者や地域活動のつながりの媒体として、コンピューターや携帯といった情報交流システム(ICT)が着目される。そこで、最終的に、グローバルとローカルの持続可能性を融合するモデルの提案にICTの意義を追求する。今後、若者や地域から積極的に持続可能な社会を創造することが求められる。このような時代の変革期における本研究の意義についても、今後の研究において、追求していく。
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Causes of Carryover |
スウェーデンにおける調査旅費が、当初計画していた以上にかからなかった。その為、今年度は、データー分析するにあたり必要な物品費や日本における調査費に当てる予定にしている。
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