2020 Fiscal Year Research-status Report
An Empirical Study on Children's Drawing Activity by S-HTP Method in Cambodia
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18K02554
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
鈴木 光男 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 教授 (00548092)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 美術教育 / カンボジア / S-HTP法 / 絵画 / 小学校 / 図画工作 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.第3回描画調査の延期 2020年6月に、第3回目の描画調査を計画していたが、新型コロナウィルス感染拡大によりカンボジアは3月から半年以上の休校措置がとられたため、調査を延期せざるを得なくなった。 2.第2回描画調査に関する研究結果発表 第59回大学美術教育学会宇都宮大会(2020年9月19日)に参加し、オンラインで口頭発表した。当初は3回目までの全調査結果をまとめて発表する予定であったが、3回目の調査が延期となったため2回目までの調査結果の発表となった。 3.「美術教育」305号(日本美術教育学会)投稿 上記発表と同じ研究内容を日本美術教育学会誌「美術教育」305号に投稿し、査読の結果、掲載となった(2021年3月発刊)。1回目の分析の視点・内容に「エネルギー水準」「発達レベル」「内的豊かさ」「総合的評価」を加え描画1枚ごとの内的・質的な分析・評価をしたことで、描画活動に対する主体的な態度や積極性の違いが際立つものとなった。 4.分析・整理結果の報告と2021年度調査・研究に関するオンライン打合せ 2021年2月にICネットカンボジアの平林智咲氏とオンラインで研究経過と今後の調査計画について打ち合わせをした。この時点では3月~5月頃に調査を再開するような見通しを立てたが、結局その後再び無期限の休校措置となってしまい調査は再延期することとなった。また、上記「美術教育」305号に掲載された論文をクメール語に翻訳し、ICネットカンボジアを通して教育省ナイサッチャー氏と関係各校に配布・郵送した。加えて、スモールアートスクールにも日本語版とクーメル語版の両方を送付した。今後も平林智咲氏を通じてカンボジア教育省・スモールアートスクールとも連絡・協議しながら、延期となっている調査や最終年度の国際研究集会を具体化していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
第1回目と第2回目の調査を経て、分析・整理した結果は上記経過報告にあるように学会誌にも掲載され、順調に進められていた。 しかし、新型コロナウィルス感染拡大により、カンボジアの小学校の休校措置が長引いており、いつ再開されるかも不透明な状況にある。仮に再開されても、描画調査のために各小学校に訪問できないことも考えられる。現在は、随時カンボジア国内の状況をJHPやICネットカンボジアを通して把握しているが、3回目の調査に行けるかどうか予断を許さない状況となっている。 そのため、本研究について1年間の延期を申請し2021年度に成果をまとめカンボジアと日本で発表・報告したいが、今のところ見通しが立てられない状況である。調査に関するコーディネートとアテンドを依頼してきたICネットカンボジアに調査マニュアルどおり調査を遂行できるよう準備はしてあるので、小学校再開時には教育省と各校に連絡を取り、許可が出た段階ですぐに調査に行けるような体制は整えてある。 3回目の調査が研究計画通り実施できない場合は、1回目と2回目の調査結果を比較・分析し、そこから得られた知見をオンラインで報告するような国際研究集会・シンポジウムを開催する予定である。そして、その成果については、報告書を作成し、関係各所に配布するものである。
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Strategy for Future Research Activity |
最終となる第3回調査を7月までに実施し(現在カンボジア国内の小学校は休校となっているので、その状況による)、その分析結果を第1回・第2回調査と比較・検討し、10月の日本美術教育学会京都大会にて発表する予定である。 その後、9月までにカンボジア教育省など関係機関と打合せをして、11月をめどに本調査・研究に関する国際研究集会・シンポジウムを開催する。そこで、3年間にわたる調査・研究結果を報告すると共に、カンボジア教育省ナイサッチャー氏やスモールアートスクール代表 笠原氏と三者でカンボジアと日本の美術教育の成果と課題について研究協議する予定である。そこで、話し合われた内容を研究結果と合わせて報告書としてまとめ、日本とカンボジアの関係機関や学校などに配布するという計画である。
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Causes of Carryover |
(次年度使用が生じた理由)新型コロナウィルス感染拡大によりカンボジアでの描画調査が予定どおり実施できなかったため。 (使用計画)カンボジアの小学校が再開され次第、現地のICネット社 平林智咲氏・Hout氏が描画調査に出られるよう準備はできている。しかし、感染状況次第で7月までの調査が不可能な場合は、これまでの2018~2020年の期間に実施した2回の調査結果をもとに日本語とクメール語による報告書を作成する。内容は、1回目と2回目の調査で得られた元データと日本比較文化学会・日本美術教育学会の両学会誌に掲載された論文を合わせて加筆したもの、またオンラインで開催予定の国際シンポジウムの記録と想定している。 国際シンポジウムは10月開催予定でいる。Zoomを使用し、カンボジア教育省のナイサッチャー氏、学校をつくる会JHPの矢加部氏、スモールアートスクールSASの笠原氏をシンポジストとする予定である。また、国際誌にも掲載を計画しており、掲載後はオープンアクセスにより参照できるものとする。
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