2021 Fiscal Year Annual Research Report
An Empirical Study on Children's Drawing Activity by S-HTP Method in Cambodia
Project/Area Number |
18K02554
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
鈴木 光男 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 教授 (00548092)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 美術教育 / カンボジア / S-HTP法 / 絵画 / 小学校 / 図画工作 / JHP学校をつくる会 / スモールアートスクール |
Outline of Annual Research Achievements |
カンボジア・日本両国でSーHTP法((Synthetic-HTP:統合型HTP「1枚の用紙に、家、木、人の3つ全て」を描いてもらう調査)による調査を実施した。3年間で3回の描画調査を予定していたが、COVID-19により2回のみの調査となってしまった。しかし、2回の調査をとおして多くの示唆や成果を得ることができた。 この調査は、カンボジアの教育課程に美術教育が位置づけられていない中で「学校をつくる会JHP」や「スモールアートスクールSAS」の支援を受けて描画学習を経験した児童と、それ以外の描画学習の経験が乏しい児童、そして日本の児童の描画それぞれを比較することで、描画学習を通してどのような力が培われてきたかを明らかにしようとしたものである。こうして明らかとなった調査結果により、カンボジアの今後の初等美術教育だけではなく、日本の美術教育においても有効な知見を見いだすことを目的とした。 結果、上述のように2回の調査を経て、JHPが支援した学校と支援されていない学校、SAS関係校(月に1回SASが描画の授業を提供)、日本の公立校計8校にて調査を実施し、のべ748枚の描画データを得ることができた。それらを、17の視点や描画の質的な視点で分析した。日本のNPOなどによる支援の豊かさと描画指導の確かさを明らかにするとともに、学習の基盤となる子供たちの日々の生活経験の質をも問うものとなった。 このような調査・分析・考察を経て、2021年9月18日に国際シンポジウムをオンラインで開催した。このシンポジウムにはカンボジアから60名以上、日本国内の美術関係者は35名ほど、そして台湾からは名ほどの参加者があった。このシンポジウムでの内容をまとめ、2022年3月にP.114に及ぶ報告書を完成させた。
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