2022 Fiscal Year Research-status Report
美術作品が導く見立てのイメージ媒介に立脚した幼児の描画発達への臨床的アプローチ
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18K02557
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Research Institution | Notre Dame Seishin University |
Principal Investigator |
小田 久美子 ノートルダム清心女子大学, 人間生活学部, 教授 (10461229)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 創造性教育 / 描画発達 / イメージ媒介 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、子どもの描画発達の手がかりとなる創造性を育む教育を創造性教育と捉え、幼児期における創造性教育の課題を明らかにするために、まず日本における創造性教育の流れをまとめた。次に『幼稚園教育要領』等の幼児教育関係告示文、それらの解説の中での創造性の扱いについて概観した上で、保育と創造性に関する文献を整理した。さらに子ども・保育者・保育者養成の3つの視点からの考察を試みることで、創造性教育の課題と展望について論じ原著論文「幼児期の創造性教育における研究動向と課題」として発表した。また、見立てのイメージ媒介作用を有効にするため、動物表象に着目して子どもの観察力や探究心、審美心に寄り添う美術環境を整えることを目指して、その在り方に関する研究の開始と支援方法の構築が必要であると結論付け、原著論文「子どもの生活領域にある動物表象とその美術教育的課題の発掘に関する序論的考察」を学会誌にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨今の感染症拡大のための現場でのデータ収集が困難な状況は、かなり改善されてきた。活動を再開したり可能な調査方法によって工夫して調査を実施したりしているが、当初の研究計画と比較するとやや遅れていると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
文献検索や資料整理も含め、幼年造形教育における実践的研究を継続することで、当初の研究目的を達成し、教育実践方法を検証していきたい。 令和5年度を研究最終年として、幼児教育と表現教育を統合した教育・保育実践論を構築する予定である。
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Causes of Carryover |
データ収集の方法が変更されたこと、オンラインで学会に参加したことにより出張旅費や印刷代等の支出が抑えられたたことが使用額の減少につながっている。次年度は、最終年として研究の目的達成を目指して、定めた研究方法・計画にしたがって助成金を有効に使用していきたい。
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