2018 Fiscal Year Research-status Report
仮想現実の技術を応用した疑似体験学習教材の制作と評価の試み
Project/Area Number |
18K02560
|
Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
今井 弘二 国立研究開発法人情報通信研究機構, 戦略的プログラムオフィス, イノベーションプロデューサー・研究員 (50711230)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 大輔 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (00294992)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 体験学習 / 社会見学 / 野外学習 / 仮想現実 / VR / 教育の情報化 / ICT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、教育における体験学習の格差(地理的、身体的な問題)を是正するために、1.仮想現実(Virtual Reality;以下、VRと略す)の技術を応用して、情報通信端末を用いて社会見学や野外学習を疑似体験できる学習教材を50点以上制作し、2.制作したVR映像の学習効果やユーザビリティなどを評価する。そして、成果の普及のために、3.検証したVR映像を、ソーシャルプラットフォームを利用して一般に配信することを目的としている。 まず、「1.VR映像の制作」については、社会見学や野外学習などの様々な内容から59点を収録した。次いで、「2.VR映像の評価」については、科学館やボランティア団体と上手く連携して、日本の3つの地域(神奈川県、大阪府、長崎県)にて、合計で7回のワークショップを開催し、制作したVR映像の安全性の確認と並行して、異なるアプローチ(VR映像の利用前後による学習者の興味の違い、VR映像を用いた学習と受け身型・能動型の学習との比較、VRゴーグルを利用した視聴による学習者の興味)について調査を行った(学会発表:3件)。そして、「3.VR映像の配信」については、2.の実証実験を通じて安全性が確認されたVR映像を順次ソーシャルプラットフォームから一般に公開している(https://www.youtube.com/channel/UCvfzpKuUGc-D3z2x5roPG5A)。 その他の実績としては、取材(4件)、感謝状(1件)、招待講演(5件)が挙げられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は、VR技術を教育学に応用するものであり、3年間で 「1.VR映像の制作」、「2.VR映像の評価」、「3.VR映像の配信」を実施することを目的としている。本研究のための実施体制などの事前準備や外部協力者との連携が十分であったために、各目的に対して当初の計画以上に大きな進展があった。 まず、「1.VR映像の制作」については、初年度で59点を制作した。これは、目標値の118%の達成である。次に、「2.VR映像の評価」については、すでに7回のワークショップを開催し、VR映像の安全性と学習効果について調査を行った。現在は、論文としてまとめている段階である。「3.VR映像の配信」については、順次ソーシャルプラットフォームから一般に公開しており、目的は達成している。
|
Strategy for Future Research Activity |
「1.VR映像の制作」については、既に目標値を達成しているが、より一般的な傾向を得るために、まだ収録していない業種(林業、漁業、鉱業、建設業、飲料製造業、繊維工業、木・紙加工品製造業、石油製品・石炭製品製造業、土石製品製造業、鉄鋼業、情報通信業、サービス業、給食センター、浄水場など)や単元(かげと太陽、天気の変化など)を優先して撮影を進める。 「2.VR映像の評価」については、操作性の評価と体験学習に期待される心理への影響(現実の世界や生活などへの興味や意欲の向上、社会性や共に生きる力の育成、自己との出会いと成就感や自尊感情の獲得、豊かな人間性や価値観の形成、問題発見や問題解決能力の育成、思考や理解の基盤づくりなど)について、挑戦的に調査を進める。 「3.VR映像の配信」についても、既にソーシャルプラットフォームから一般に配信しており、目標は達成しているが、教育現場などにおいて利用する際に新たに見えてきた課題(VR映像の同時視聴や大容量データの配信など)を解決すべく、独自にVR映像を配信するシステムを構築して改善策を講じる。
|
Causes of Carryover |
当該年度の後半は、ワークショップを開催して実証実験を進めていたが、半端な余剰が生じたため、次年度に繰り越すこととした。
|
Research Products
(4 results)