2020 Fiscal Year Research-status Report
家庭科における「家族」に関する学習の意義と課題:学習者の認識と教育内容の比較より
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18K02564
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
藤田 智子 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (40610754)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 家庭科教育 / 家族 / 家事実践 / 性別役割分業意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度、コロナウィルス感染拡大のため休校となってしまい、予定していた調査が実施できなかった男子高校に対して質問紙調査を追加で実施した(男子校生徒221名)。また、新学習指導要領に合わせて出版された小学校の検定教科書(全2社)の分析を行い、改訂前後で比較した。「A家族・家庭生活」の領域に対応する教科書のページを抽出し、①分量の変化、②本文の記述内容の変化、③写真・挿絵の3点について分析を行った。その結果、①学習指導要領改定の前後で、2社とも教科書の全ページ数及び、「家族・家庭生活」のページは増加していた。しかし、「家族・家庭生活」に割かれるページの割合は2社ともに1割未満であった。②教科書の記述内容について、学習指導要領から抽出した、「家族」「家庭」「役割」「分担」「協力」「ふれあい」「団らん」をキーワードとして設定し分析した。A社では、「分担」というキーワードが1回から5回に増えたほかは大きな変化はなかった。B社は、「家族」が8回から27回、役割が0回から1回、「協力」が1回から6回、「ふれあい」が0回から5回、「団らん」が0回から8回と、かなり変化が見られた。③写真・挿絵の男女比は、A社が男性:女性=60.9:38.2(不明0・9)から54.0:46.0に、B社は男性:女性=71.4:28.6から47.8:51.1と、5:5に近い形に変化していた。 今後、質問紙調査の分析を進めるとともに、2021年度に出版される中学校の教科書の分析に取り組む。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度に持ち越しとなった質問紙調査について、実施できたが、調査が調査対象校の都合上3月までかかってしまったため、分析を今年度中に終わらせることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、交付申請書の計画通り、新学習指導要領に基づく中学校家庭科教科書の分析を行う。また、新学習指導要領にもとづいて授業を行った小学校教員に対してインタビュー調査を行う。なお、質問紙調査については、男子校で調査がコロナウィルスの影響で遅れてしまったため、質問紙調査の分析も合わせて行う。また、研究成果は、適宜学会等での発表及び学術雑誌への論文投稿準備を進める予定である。
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Causes of Carryover |
参加を予定していた国際学会が、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、2022年度に延期となったため、その参加費、旅費、英文校閲費などの支出がなくなり、国内学会もオンラインでの開催に切り替わったり中止となったりしたため、旅費や参加費が必要でなくなり、次年度使用額が生じた。また、男子校での調査が、予定数より少なくしか行えなかったため、データ入力費等が少なく済んだ。国際学会について、延期となった大会に参加する予定であるので、その費用に充てる。その他、計画書通り、新学習指導要領に対応した教科書の分析やインタビュー調査にかかる費用(旅費、謝金、文字起こし代など)として使用するほか、成果を発表するための、国内学会への参加および旅費などに使用する。
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Research Products
(4 results)