2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research on effective avoidance methods in case of the water accident
Project/Area Number |
18K02579
|
Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
松井 敦典 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (40190384)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 安全水泳 / 水難 / 安全確保 / 着衣泳 / 浮漂 / エレメンタリーバックストローク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、水難事象を想定した際の典型的な対処法を設定し、それぞれの方法がリスクの発現や人体に及ぼす負荷量等を明らかにすることにより、エビデンスに裏付けられた水難時の明確な対処法の立案を目指すものである。本年度は3年計画の最終年度であり,これまで整備していた実験機材等を活用して本実験をする計画であったが,新型コロナウイルス感染症蔓延の影響があり,プールや自然水域での水泳実技を実施すること自体に一定量のリスクがあり,感染リスクを排除した妥協的な条件での実験に変更せざるを得なかった。実験実施に当たっては,文部科学省やスポーツ庁からの通達である,「今年度における学校の水泳授業の取り扱いについて」(令和2年5月22日事務連絡)および「スポーツ関係の新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインについて」(スポーツ庁webページ)で示されている諸事項を遵守した上で実験内容及びそのプロトコルを見直し,成人2名に対して下の実験を実施した。 1.屋外プールにおいて30分間意図的に移動しない背浮の"浮漂"を実施し,その間の心拍数変動と移動軌跡,移動距離を計測する。 2.屋外プールにおいて30分間意図的にゆっくり移動する"エレメンタリーバックストローク"を実施し,その間の心拍数変動と移動軌跡,移動距離を計測する。 "浮漂”にしても"エレメンタリーバックストローク”にしても,被験者の持つ基礎的な実施能力により,運動負荷に差異が生じており,それは被験者自身の主観的運動強度や疲労感においても同様な結果が得られている。従って,水難を回避する場合,どんな方法で難を逃れるかという方法論よりも,その方法に対しての技能獲得の状態が大きな要因となることが明らかとなった。
|