2020 Fiscal Year Annual Research Report
Cross-curricular curricula principles that guarantee to achieve gaining knowledges and skills required in elementary schools.
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18K02581
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
藤田 詠司 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 教授 (60219003)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 統合カリキュラム / クモの巣モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナ渦によって国家試験が中止となり,統合カリキュラムの効果を測定できなくなったため,統合カリキュラムの原理とその採用理由を検討した。Fogartyは統合カリキュラムの10種類のモデルを示し,それらの特色を示している。10種類とは,1.多孔性モデル,2.接続モデル,3.入れ子モデル,4.シークエンスモデル,5.共有モデル,6.クモの巣モデル,7.織り糸モデル,8.統合モデル,9.没入モデル,10.ネットワークモデル,である。1-3は「個々の分野の中での統合」,4-8は「幾つかの分野を横断した統合」,9と10は「学習者の頭の中での統合」としてまとめられている。教科横断的統合カリキュラムのモデルとしては,4-8のいずれかが該当する。1-3は教科内での統合モデルであり,9と10は学習者が自主的に実践する統合学習のモデルだからである。4-8のモデルは,その番号順に,Fogartyにとってより望ましい統合のあり方を示していると思われる。8番目のモデルの名称が「統合モデル」となっていることからもそのことがわかる。「統合モデル」は,「問題解決」や「関係性(を見出す)」などいくつかの教科に共通のスキルを核にして,2つの教科に共通のスキルと,それらスキルが適用される教科固有の内容を結びつけてカリキュラムを構成する。しかし,インドネシアの小学校教科書で採用されているのは,「統合モデル」ではなく,「クモの巣モデル」である。「クモの巣モデル」は,核に据えるのはスキルではなく,概念やトピック,問題である。核になるテーマと各教科に何らかの関係性がもたされ,教科相互の関係性は求められない。全ての教科の内容を網羅しながら統合カリキュラムを作成するためには,内容的関係性を見いだしやすいテーマを核に据え,教科相互の関係性を必ずしも求めない「クモの巣モデル」が使い勝手のよいモデルであったと推測される。
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