2019 Fiscal Year Research-status Report
記号論に基づいた数学の対象とその特徴に関する理論的・実証的研究
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18K02584
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
和田 信哉 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (60372471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 武志 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 教授 (60239895)
影山 和也 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (60432283)
中川 裕之 大分大学, 教育学部, 准教授 (00450156)
上ヶ谷 友佑 広島大学, 附属福山中学校, 教諭 (80813071)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 数学教育 / 存在論 / 記号論 / 考察対象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究全体の目的は,数学の考察対象が記号として存在していると仮定したときの数学の特徴について,理論的及び実証的に明らかにすることである。そのために,2019年度は,実際の数学授業のデータを収集整理するとともに,記号論的な枠組みを用いて分析することを通して,理論的基盤の精緻化を行うことを目的とした。具体的には,共同研究者との会議を4回行い,分析のための記号論的枠組みと方法論についてそれぞれの立場から議論を行い理論的基盤の構築を行った。 1回目の会議では,昨年度の研究の整理を行いながら記号論的な枠組みについて議論し,データを収集するための授業(平方根の授業)について検討した。簡単なデータ分析の結果を学会の口頭発表で報告した。 2回目の会議では,授業データのより詳細な分析のために,研究方法論について議論した。哲学的背景や理論的背景を基にして個ではなく集団を分析するための方法論を明確にした。この結果については,学会において口頭発表を行った。 3回目の会議では,先の研究方法論に基づいて平方根の授業を再検討した。研究方法論を明確にしたことで,板書を手がかりとしながら教室全体の記号過程を捉えることができ,その特徴について明らかにすることができた。この結果については,学会において口頭発表を行った。 4回目の会議では,2019年度の研究成果をまとめて投稿する論文を検討した(2020年3月現在で投稿中)。また,来年度の研究計画について話し合った結果,さらに授業データを収集して分析を進めることで,授業を教室全体の記号過程としてみたときの特徴をより明らかにしていくことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した2019年度の研究実施計画と照らし合わせると,2020年度の実証的研究を前倒しで行いつつ,理論的研究の一部を2020年度に先送りにして研究を進めたことになる。したがって,全体としては,「おおむね順調に進展している」と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
授業データの収集と分析を行いながら,教室全体の記号過程としての数学授業の特徴を明らかにしつつ,理論的基盤の精緻化を図っていくことで数学の特徴を浮き彫りにしていきたい。
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Causes of Carryover |
3月下旬の学会が新型コロナウイルスの影響で中止になったため,その分を執行する時間的余裕がなかったので次年度に使用することにした。次年度は,当初の予定通りに旅費として使用したい。
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Research Products
(8 results)