2018 Fiscal Year Research-status Report
射影量の文章題に関する記述力・論述力を育成する教育課程の開発
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18K02588
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
加藤 卓 東北学院大学, 文学部, 教授 (10709140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守屋 誠司 玉川大学, 教育学部, 教授 (00210196)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 射影量 / 割合 / 速さ / 文章題 / 記述力 / 論述力 / 教育課程 |
Outline of Annual Research Achievements |
国外での研究では,2月末に,バーデン・ヴュルテンベルク州の実科学校を訪問し,射影量に関連する授業を参観し,指導の実際について調査を行った。G6の授業では,100等分図から開始し,分割数や形状が様々な等分図を用いて,分数と%と割合を関連させて指導していた。また,多くの問題を解くことができるように配慮した指導を行っていた。一方,数学の科目に限らず,社会生活で普通に見かけられる割合について,他教科でも議論を中心にした授業が行われていた。例えば,G7の社会科では,北欧と南欧での管理職に占める女性の%の違いを比較し,ディベートを行う授業を参観した。数学の文章問題に限らず,実際の社会問題について様々な意見を出し合って議論し,自分なりの考えを持てるようにする手法であった。割合を学ぶ必要性と共に,割合に関する事象について口述力を育成する方法の一端を調査した。 また,教育資料の収集については,教科書改訂がG6まで進んでいるKlettの教科書の情報を収集し,一括購入のめどを立てることができた。 国内での研究では,旧東ドイツの数学・物理の教科書を所有する図書館において,2度の追加調査を行った。また,数量関係図に文字を使用し第Ⅱ用法で立式する指導方法の成果と課題について,年度末に国内の数学教育系学会にて発表を行った。文字の使用は,比較的抵抗が少なく自発的に文字を記述する児童が多いこと。数量関係図でも文字の使用を抵抗なく行うことができること。しかしながら,最初に記述しなければならない「文字が表すもの」の記述は,ほとんどできないため改善を図る必要があること。また,換算が必要な文章題では,文字を記述する割合は低い傾向が認められ,何を文字として設定するかについて指導を改善すべきであることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国外での調査は,年度末に順調に進めることができた。 国内での調査は,数量関係図化に文字を使用することの検証は目途を立てることができた。また,教科書の追加調査や必要な物品の調達も,順調に行うことができた。しかしながら,演算構造により分類した問題による調査は,実施を完了することができなかった。夏から秋にかけて入院患者の看病を行わなければならず,研究時間を圧迫したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度完了できなかった,演算構造により分類した問題による調査を早急に行う。それをもとに,日本の中学生の問題解決過程のプロトコル調査を行い,教材と教育方法を完成させる。平成31 年度後半に,中学生を対象に射影量に関する教育実験を行い,検証を通してカリキュラムを更に改善し完成度を高める。また,STEM教育の視点から,教材・教具の開発の可能性を探る。 さらに,ドイツで必要な追加視察調査と米国も含む文献収集を行い,年度末の数学教育系学会で発表を行う。
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Causes of Carryover |
201GDMの開催が2019年3月であり2018年度末であったため,研究分担者の2019GDMへの参加費・旅費請求等が2019年度にずれ込んだためである。
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Research Products
(2 results)