2021 Fiscal Year Research-status Report
コンピュータプログラミング学習の神経基盤に関わる基礎研究
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18K02589
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
本郷 健 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (60245298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿野 利春 京都精華大学, メディア表現学部, 教授 (20770168)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | コンピュータプログラミング学習 / 神経可塑的変化 / MRI / プログラミング的思考 / 学習科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、コンピュータプログラミング学習が脳の神経可塑的変化に及ぼす影響及び学習過程が脳活動に与える影響をMRI等により測定し、これら一連の研究成果を通して、プログラミング学習の教育的意義や指導法を考察する基礎資料の収集を試みる. 学習群には15回の授業に加えて11回の講習会の受講、プログラミングの中間試験および事後試験、さらに最終作品の提出を義務付けた。学習群は学習の前・中・後の3回、統制群は学習の前後の2回、脳構造(T1、拡散強調画像)、脳機能(安静時脳機能活動)及び本年度の24名については学習活動中における脳機能の活動状況を撮像した.学習前に知的機能検査、学習の前後に学習やプログラミングに関する興味・関心等に関するアンケート調査を行った.学習群は学習前に全員が脳構造の撮像を受け、学習の中間期(第2回の撮像)及び学習後の課題遂行時における脳機能の活動状況を撮像した.結果、脳構造の解析対象者数は、昨年度の被験者を合わせ学習群が44名、統制群が31名となった. 分析では、学習群と実験群の学習前における知的機能検査および脳構造の有意な差は見られなかった.一方、学習群の38名と統制群31名の相互作用の縦断分析では、左・右前頭極、小脳、内側前頭回、楔部、左・右淡蒼球、左小脳 の8ヶ所で有意な差が現れた。また、関心領域の縦断解析から,右前頭極の脳灰白質変化量が最終作品評価と正の相関があり,プログラミングの課題解決的な学習活動が粘り強さや持続性を支える基盤と考えられる右前頭極の神経可塑的変化と関係のあることを示す結果を得た.また、左右の淡蒼球と内側前頭回の脳灰白質の変化量と記述試験成績とに正の相関があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プログラミングの初学習者に対して、半年にわたる学習活動を実施し、学習前後の脳構造の変化をとらえることができた.また、プログラミング課題を解決している状況下における脳の賦活の様子を捉えるためのデータを収集することができた. 神経可塑的変化について、統制群との違いも明らかになり、プログラミングの学習と可塑的変化を起こしている部位との関連性を検討し、行動データとの関連性を明らかにできた。この結果をどのように考察するかの段階にあり、おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、学習群の有意に変化した部位と学習内容(学習時間、学習行動記録)、アンケート調査結果、プログラミングの到達記録、最終作品等を組み合わせた詳細な統計的解析を実施する予定である.加えて、fMRIにより課題遂行下における脳の賦活を明らかにする.それらを通して、プログラミング学習と神経可塑的変化の関係を明らかにする.こうした検討を通して、プログラミング学習の教育的な意義や特徴を整理して、論文にまとめる予定である.
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大の影響で、被験者を集めた実験スケジュールが遅れたため、延長申請を行った。
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