2021 Fiscal Year Annual Research Report
Approaching to the global standard in education for professional librarians in schools
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18K02592
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
中村 百合子 立教大学, 文学部, 教授 (80411057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 英嗣 大阪教育大学, その他, 教授 (50200415)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 学校図書館 / 学校図書館専門職 / 専門職養成 / 情報リテラシー / 司書教諭 / 学校司書 / 児童サービス / 大学間連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,近年,日本の教育において目指されている,探究的な学習や主体的・対話的で深い学びの実現,各種リテラシーの育成に貢献する学校図書館専門職養成を実現する方途を探った。具体的には次の二つのアプローチで,その養成教育の改革の提案を目指した。一つには,学校図書館専門職養成に取り組む欧米(米国,カナダ,スペイン)の大学院の研究者らとともに,グローバルスタンダードへの接近,接続の方途を探った。一方で,学校図書館司書教諭講習についての歴史研究を進めて,これまでの国内の学校図書館専門職養成の課題を整理した。 グローバルスタンダードをけん引する北米と欧州の取り組みは,2019年度と2021年度の国際シンポジウムでの3大学からの報告で全貌および具体的な教育実践や課題を把握することができた。2020年度には米国サンノゼ州立大学の情報学大学院と立教大学において,国際児童文学論の授業を試験開講し,そのニーズ,可能性,課題を把握した。立教大学の実践においては,スペインとオーストラリアの研究者の授業へのオンラインでの参加も実現した。北米と欧州では大学院修士課程レベルでの養成であり,日本では法的にはポストグラデュエート(学部卒),現実には学部レベルと見なすべき状況にあることが具体的な教育の連携を困難にしている。とはいえ,特に北米とは,学生間の協働も授業の設計次第で可能であるという感触を得た。欧州は,特に児童青少年向けの文学についての研究者は多くおり,北米以上の教育連携の可能性が確認された。 国内の状況としては,多忙化する教師,また教育委員会,開講大学や担当講師にとっても,現在までの夏の司書教諭講習という学校図書館専門職養成制度が活用・運用しづらいものになっていることが調査から改めて明らかになった。大学および夏の講習による司書教諭養成の制度や実践の再構築を進めることが求められていることが確認された。
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Remarks |
本科研費研究の成果のうち,英語で発表されたものについては,上記のウェブサイトを立ちあげ,そこにおいて日本語で情報発信を継続している。
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Research Products
(17 results)