2020 Fiscal Year Research-status Report
主権者教育によって児童の女性観はどう変化するか:潜在意識測定による地域ごとの検証
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18K02593
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Research Institution | Matsumoto University |
Principal Investigator |
秋田 真 松本大学, 教育学部, 教授 (70805887)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 主権者教育 / IAT / FUMIEテスト / 女性観 / 社会科教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の予定であったが,コロナ禍により東京都内の小学校における授業実践及び検証を行うことができなかった。そこで,都道府県別の地方議員に占める女性の割合の「上位・中位・下位」という三区分を見返し,「上位・中位Ⅰ・中位Ⅱ・下位」という四区分とし,中位Ⅰとなる長野県にて授業実践及び検証を行った。 その長野県の調査結果と,これまで実施してきた女性議員割合下位である青森県及び中位Ⅱとなる香川県との調査結果との比較を目的とした。昨年度同様,児童の女性観の抽出方法については,FUMIEテストを用いた。児童に対してFUMIEテストを授業の前と後で実施し,その後,分析を行った。 FUMIEテストの結果,次の三点が明らかとなった。一点目は,既に実施した下位の青森県と比較し,特に男子児童において授業前の潜在的態度が肯定的であるという結果が得られた。この結果は,長野県同様の中位である香川県と似たような数値となったことから,中位の特徴が炙り出されたと言える。二点目は,長野県の児童も青森県及び香川県同様,女性に対する潜在的態度について,男子よりも女子の方が高かったということである。三点目は,二点目同様,実施したすべての県において男児女児問わず,女性に対する潜在的態度が授業後には潜在連想指数(女性に対し,数値が高ければ高いほど肯定的と受け止めている)が上昇していたことである。特に三点目より,実施した授業は児童に対し有効に働いたと受け止められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の時点で,対象地域である東京都の小学校の協力を得て主権者教育の授業を行う予定であった。しかし,新型コロナウイルスの感染拡大により,東京都内小学校での授業の実施について,当面そのめどが立たない状況にある。よって,当初の計画からやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究取組については,対象地域(東京都)の小学校の協力を得て主権者教育の授業を行い,児童の女性への潜在的態度について検証を行う。そして,地域と児童の意識間に相関関係を見いだしていく。 また,我が国のジェンダー意識に対する海外からの厳しい視線が投げかけられている状況であることから,本研究については,できるだけ早期に海外のジャーナルへ投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度の時点で,対象地域である東京都の小学校の協力を得て主権者教育の授業を行う予定であった。しかし,新型コロナウイルスの感染拡大により,東京都内小学校での授業の実施について,当面そのめどが立たない状況にあることから,進度がやや遅れている。 使用計画については当初の予定通り,東京都内小学校での授業の実施及び海外論文校閲料等として使用する予定である。
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