2021 Fiscal Year Research-status Report
主権者教育によって児童の女性観はどう変化するか:潜在意識測定による地域ごとの検証
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18K02593
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Research Institution | Matsumoto University |
Principal Investigator |
秋田 真 松本大学, 教育学部, 教授 (70805887)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 主権者教育 / IAT / FUMIEテスト / 女性観 / 社会科教育 / 初等教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,都道府県別の地方議員に占める女性割合が上位である東京都を対象に,小学校での授業実践及び検証を行った。コロナ禍ではあったが,緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の適用外の時期(東京都:2021年10月1日~2022年1月20日)を選び,実施することができた。 都道府県別の地方議員に占める女性の割合を目安に,「上位・中位Ⅰ・中位Ⅱ・下位」という四区分とし,1年目は青森県,2年目は香川県,3年目は長野県にて授業実践及び検証を行ってきた。昨年度までと同様に,児童の女性観の抽出方法は,集団式潜在連想テストであるFUMIEテストを用いた。 FUMIEテストの結果,次の二点が明らかとなった。一点目は,授業前後の変化から,対象児童の女性に対する肯定的な態度が育ったと認められた。特に,今年度実施の東京都については,性別にかかわらず,女性に対する肯定的な態度が,授業後にほぼ倍増となったことが確認できた。そして二点目は,これまで実施した青森県・香川県及び長野県同様,女子児童の方が男子児童よりも,女性に対する肯定的な態度が高いことが改めて確認できた。 また,青森県を対象としたFUMIEテストの結果については,国際学会にて発表(Society for Applied Research in Memory and Cognition:口頭発表)を行った。さらに,その研究成果を国際ジャーナル(“Journal of Social Studies Research”:Elsevier)に投稿し,2022年第2号(通巻46)にて掲載される運びとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍ではあったが,緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の適用外の時期を選び,対象地域である東京都の小学校(1校)の協力を得て主権者教育の授業実施することができた。しかし,2022年1月より再びまん延防止等重点措置の適用となり,それ以上の授業実施ができなくなった。よって,当初の計画からやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
主権者教育の授業実施件数を増やし,研究の妥当性を高めていきたい。
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Causes of Carryover |
今年度の時点で,対象地域である東京都内小学校の協力を得て主権者教育の授業を複数校で行う予定であった。しかし,新型コロナウイルスの感染拡大により,東京都内小学校での授業実施が思うようにできず,進度がやや遅れている。 使用計画については当初の予定通り,東京都内小学校での授業実施及び海外論文校閲料等として使用する予定である。
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