2022 Fiscal Year Annual Research Report
Range and effectiveness of middle school reform in France: focusing on reorganization of French language education
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18K02600
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Research Institution | The International University of Kagoshima |
Principal Investigator |
飯田 伸二 鹿児島国際大学, 国際文化学部, 教授 (60289650)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 前期中等教育 / フランス / 文学教育 / ブルヴェ(前期中等教育修了認定試験) / イメージの教育 / コンピテンシー / 義務教育課程 / 道徳市民教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は現行の義務教育課程全科目に渡る学習目標の総体をなす「知識・技能・教養からなる共通基盤」の全文を翻訳した。この作業により,義務教育課程の中でフランス語という科目,さらに文学教育にどのような貢献が求められているのかを詳にできた。 さらに,2018年度から2020年度にかけて,第2・第3・第4学習期のフランス語の学習指導要領を全訳した。現行指導要領は日本のそれに比し,はるかに詳細であり,どのような教授方法を採用すべきか,どのような教材を使うべきかを詳細に記述している点は強調しておきたい。このため,指導要領の翻訳により義務教育課程におけるフランス語教育実践の詳細にかなり具体的に迫ることができた。 また2020年は現行の指導要領,及び国民教育省作成の授業支援資料の分析を通じ,文学教育においては現行カリキュラムを通じ大きなパラダイム転換が進行中であることを指摘できた。いわば,従来の文学というディスクールの特殊性もしくは文学史の理解に重点をおいた教育から,議論を通じ文学テキストには様々な解釈,考え方が可能であり,論理的整合性が許す限りにおいてその多様性を認めなければならないという教育である。当然これは,共和国の土台とも言える,言論の自由,他者の尊重を授業という実践・経験を通じて学ぶことに他ならない。 また,2022年度には前期中等教育修了認定試験の科目,配点等を詳細に吟味することにより,前期中等教育の軸が科目を柱とする学習項目からコンピテンシーへと移行したことを明らかにした。さらに2017年に実施された前期中等教育修了認定試験のフランス語問題を詳細に分析することにより,フランス語では価値の教育,イメージの読解が従来より遥かに需要ないちを占めるようになったことを明らかにした。 以上,コロナ禍により海外での調査,資料収集が実行できなかった年度もあったが,概ね当初の計画を実行できた。
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Research Products
(2 results)