2019 Fiscal Year Research-status Report
A Study about Educational Method of Design learning with Computational Thinking
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18K02602
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Research Institution | Minatogawa College |
Principal Investigator |
山田 哲也 湊川短期大学, その他部局等, 教授 (00727224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻窪 光慈 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (00431726)
湯地 敏史 宮崎大学, 教育学部, 准教授 (80418988)
原田 信一 京都教育大学, 教育学部, 教授 (90646647)
岳野 公人 滋賀大学, 教育学部, 教授 (70313632)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 教育方法 / プログラミング的思考 / 設計学習 / 学習レリバンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,初等教育及び中等教育におけるものづくり学習の中で児童・生徒がプログラミング的思考を持ちながら,デザイン(構想・設計)する能力をつける教材を開発すること,及び実際の教育実践を通してその教育効果を確かめ具体的な教育方法を示すことを目的としている。 初等教育から中等教育に至るものづくり教育の流れを見据えながら,プログラミング的思考を伴う教育内容によって連続性のある教育課程を見出すことについても検討することにした。教材開発はそれぞれの発達段階に応じた開発を行い,そのうちいくつかについては授業実践を通した開発を行い,分析を進めた。栽培管理システム,IoT技術教材,無線LAN接続型組込みシステム,3D CAD,Micro:bitを使用した教材,材料加工に関する教材,防除装置LEDライトトラップ,永久ゴマを使った教材,グライダー教材,市販プログラミング教材の発展などの教材開発と実践が進んだ。またIT農業に関する具体的な授業提案を企業の協力を得る中で実施し,学習者の変容を明らかにすることができた。 さらに,教育課程や教育評価について,当初の予定通りSTEM/STEAM教育に関わる教育の海外調査を実施した。英国のうちイングランドのナショナル・カリキュラムである教科“Design and Technology”の最近の情勢を調査するために,学校と英国政府の間に立ち双方向の伝達やサポートを行うDesign and Technology Associationおよび小学校を訪問した。訪問先での調査や教育実践者へのインタビュー等を行い,教育課程編成とその実施における特徴や評価に関わる特徴を抽出した。調査により,STEM/STEAM教育は,教科横断的に取り組まれるが各国ごとに進展が異なり,それぞれの実践を検証するなどの研究が必要性が示唆された。 これらの成果は,国内外の論文や学会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教材開発としては,前年度の科学や数学と技術を結び付けるSTEM教育の基礎的調査を踏まえ,Artsの要素を加えるSTEAM(Science,Technology,Engineering,Arts,Mathematics)教育の動向を意識しながら進めた。教材開発の過程において,それぞれの具体的な教育方法について活かすべき要素や特性が見えてきた。またそれらは実践を通して検討することができた。教材については,科学的な見方や技術リテラシーの基礎・基本となるものや探求を中心として問題解決的な能力や21世紀型能力に関わるような高次な思考を求めるものなど多方面から検討が進められる状況にまで研究が進行した。いくつかの教材については,授業における学習者のデータが様々な角度から収集できており,詳細なデータ分析を行う段階にある。IT農業に関わる実践では,企業に協力を得て,持続可能な社会の視点からの教育内容も検討でき,学習レリバンスの側面からの検討も進んだ。 STEM/STEAM教育に関わる教育に関わって,イングランドの教育課程等を調査することで,発達段階の差異によるプログラミング的思考が関わる教材の配置についても研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
教材開発は,一定数の教材開発が進み,教育方法に関する検討の段階に入った。しかしながら,不足や課題が見えてきた教材についてはそれを補うような教材開発をさらに進める。また,授業実践数はできるだけ増やし,多様な場面でのデータについて分析とその検討を行っていく必要があると考えている。 本研究では,初等教育と中等教育の連続性を視野に入れているため,教育方法は,教育課程を見据えながら検討していく必要がある。そのため,イングランド以外のSTEM/STEAM教育に関わる教育課程についても調査を行う予定である。また初等教育と中等教育の連続性から見えてくる学習レリバンスに関しても,新たな視点として追加し分析を行っていくことにする。それぞれの研究分担者,研究協力者は互いに密に連絡を取り合い,得られた知見を共有しながら,分野や領域をまたぐ複合教材についても検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として,研究者がメールや電話において打ち合わせを行う場面が多かったため,旅費の執行が最小限に抑えられた。また教材開発において,各大学の設置される備品等で代用できる場合があり,備品等の購入も最小限に抑えられたことがある。2020年度は,各大学がコロナウイルス対策のため,ネットワーク上のオンライン会議を多用する環境が生まれ,円滑に打ち合わせが行われる可能性がある。旅費が抑えられた場合,教材開発や実践等に使用する教材や材料の購入に充てる予定である。
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Research Products
(33 results)