2021 Fiscal Year Research-status Report
養護教諭志望学生と現職養護教諭の共同学習による救急処置能力向上プログラムの構築
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18K02605
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小林 央美 弘前大学, 教育学部, 教授 (00419219)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 養護教諭 / 救急処置 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、養護教諭志望学生と現職養護教諭の対面での共同学習による有効な救急処置能力向上プログラムの構築と、そのプログラムの効果検証を目的としている。 本研究実施年度の前年度に筆者らが文部科学省の委託事業として行った養護教諭に求められる救急処置能力(調査対象は養護教諭・管理職・教諭)の結果と、本研究初年度に対面で実施した共学による研修会についての効果検証(学会での口頭発表済み)の双方を活用した教材開発と学習方法の開発に努めた。この研究活動は令和2年度からの継続した研究活動である。 特に今年度は、教職大学院において学んでいる養護教諭志望院生が実習で経験した救急処置事例を取り上げた教材開発に努めた。救急処置場面において、養護教諭志望院生が観察や問診、検診を行ったプロセスの記録を、医学的根拠や教育的な働きかけの視点で分析し、意味づけを行った。教育的な働きかけの視点では、養護教諭の働きかけによって、救急処置の対象である児童生徒が、どのように自身のけがや症状を意識して、自分の身体でおこっている状況を自ら改善していこうという意欲をもつことができるのかを追究した。その結果、学校における救急処置の意義や養護教諭独自の救急処置活動過程における働きかけのあり方について、一定の知見を得ることができた。 しかし、本研究の目的である養護教諭との対面での共学の中で討論を重ねながら追究していくことは、新型コロナウィルス感染状況から実施することができなかった。ゆえに、当初の本研究の目的達成には、なかなか到達できない現状であり、今後、対面ではなく、オンライン研修での共学のあり方を検討していくことが急務であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究における救急処置能力向上を目指したプログラム開発は、養護教諭志望院生と現職養護教諭による対面でのロールプレイと、討論、その省察を中心とした共学での結果を主軸とした研究である。この間、新型コロナウィルス感染症の蔓延により、対面での研修会の開催が、2年間実施できなかった。そのため、プログラムの開発・実施による検証の双方ができずに、教材開発や養護教諭志望学生を対象とした研修の実施にとどまっており、研究成果を公表するには至っていないため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの教材開発や共学学習に向けて開発してきたプログラムの対面での実施と、その効果検証を進めることが急務である。しかし、昨今の新型コロナウィルス感染症の蔓延により、次年度以降も、対面での研修会を確実に実施することは難しいと推察される。 そこで、次年度は、対面によるロールプレイによる研修の実施は難しいので、それに変わるオンラインでの実施のあり方について検討することを視野に入れた研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
今年度は、新型コロナウィルス感染症の蔓延により、予定していた対面での研修会を全く開催することができなかった。また、そのため、研究活動は、本学の教職大学院の養護教諭志望院生による実習での事例をもとに分析活動を実施した。その際に教材開発も行ったが、令和2年度も、対面での研修会の開催が難しかったため主に教材開発を行った。そのため令和2年度には、教材開発につながる書籍を既に購入していた。今年度は、令和2年度に購入した書籍の活用で十分であったため、2冊の書籍の購入での支出となった。 令和4年度は、オンラインでの研修会の実施に切り替えて研究を進めていきたいと考えているので、それに伴う執行が生じると考えている。
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