2018 Fiscal Year Research-status Report
教員養成分野におけるジェネリック・スキル育成のための教育的介入の検討
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18K02610
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高橋 浩之 千葉大学, 教育学部, 教授 (20197172)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 教員養成 / ジェネリック・スキル / 教員の資質・能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度には,教員養成分野におけるジェネリック・スキルを育成する授業に関する情報の収集を行った。ジェネリック・スキルに関する資料はすでに数多く収集しているが,それらを育成する実践の理論や実践のあり方に関してはさらに情報を収集する必要がある。平成30年度には,特に近年OECDで重視されている社会情動的スキルに関連する書籍や論文を収集して分析を行った。 また,ベトナムの教員養成におけるジェネリック・スキルの扱われ方なども実地調査した。教育関係者や行政にかかわる人間を対象にホーチミン市ミントラン・ガーデンなどでワークショップを開き,情報を収集するとともにディスカッションを行った。 さらに,教員養成分野におけるジェネリック・スキルを育成する授業を開発するために,試行的に教職科目「人間関係づくりの教材開発」(学級経営に役立つ人間関係作りの演習を理論と体験を往還させながら学び,人間関係づくりに役立つ演習を開発する実践的講座であり,社会的スキルの育成などが期待できる)において,ジェネリック・スキル育成のための授業を行った。受講者のうち「調査に協力し,教員採用試験の受験状況や結果などの利用を許可する」と回答したものについて学生証番号を記入してもらい学期始めと学期終了時に調査を行い,2回の調査結果を対応づけて分析した。協力すると答えた者は65名と多かったが(「調査に協力しない」と回答した者は2名のみ),前後のどちらかしか回答がなかった者32名,回答が不適切だった者7名で,結果として分析対象者数は26名となった。授業の第1回目と最終回の結果を比較したが,対象者が少ないこともありジェネリックスキル等の有意な伸びは確認できなかった。次年度の授業実践に活用するためにさらに詳細な分析を現在行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教員養成分野におけるジェネリック・スキルを育成する授業に関する情報の収集が順調に進み,ポジティブな結果は得られなかったものの研究期間初年度にして試行的な介入研究を行う段階にまで到達したからである。 また,これまで蓄積してきた研究成果を投稿する準備も順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度に試行的に行ったジェネリック・スキルを育成するための授業を改良した上で研究対象者(受講者)を平成30年度よりも増やして介入研究を行う予定である。また,対人スキルの育成も視野に入れ,学部内で共同研究者とともに研究を拡大させていく。
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Causes of Carryover |
予定していた物品の購入を次年度に回したため次年度使用額が生じたが,平成31年度には予定していた物品を購入できる見込みであり,それによって計画にそった支出に戻ると考えられる。
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