2019 Fiscal Year Research-status Report
教員養成分野におけるジェネリック・スキル育成のための教育的介入の検討
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18K02610
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高橋 浩之 千葉大学, 教育学部, 教授 (20197172)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 教員養成 / ジェネリック・スキル / 教員の資質・能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年度には,教員養成分野におけるジェネリック・スキルを育成する授業に関する情報の収集を継続して進めた。特に,ジェネリックスキルを育成する実践の理論や実践のあり方に関してはさらに情報を収集する必要がある。 また,教員養成分野におけるジェネリック・スキルを育成する授業を開発するために,試行的に教職科目「人間関係づくりの教材開発」(学級経営に役立つ人間関係作りの演習を理論と体験を往還させながら学び,人間関係づくりに役立つ演習を開発する実践的講座であり,社会的スキルの育成などが期待できる)において,ジェネリック・スキル育成のための授業を行った。受講者のうち「調査に協力し,教員採用試験の受験状況や結果などの利用を許可する」と回答したものについて学生証番号を記入してもらい学期始めと学期終了時に調査を行い,2回の調査結果を対応づけて分析した。今年度は特に社会的スキルに注目して分析を進めている。 さらに,前年度までに行ったジェネリック・スキルと教員採用試験結果及び現職教員のやりがいとの関連についての分析を完了し,論文として発表した。教員採用試験に関する分析において合否の予測力を持っていたのは社会的スキルであった。これは,昨今の教員に対してコミュニケーション力が強調される風潮及びそれを踏まえた二次試験の有り様を考えると首肯できるものである。また,現職教員のやりがいに関しては,自己管理スキルや自己効力感が予測力を持っていた。これまでの研究からも自己管理スキルは望ましい行動の実現に寄与することが示唆されているので,自己管理スキルの豊富な教員が,自らが教師として望ましいと考えていることや周囲から望まれていることをより適切に実現し,結果としてやりがいが得られていることが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教員養成分野におけるジェネリック・スキルを育成する授業に関する情報の収集が順調に進み,試行的な介入研究も無事2年目のものを実施できた。また,これまで蓄積してきた研究成果を投稿し,査読を経て掲載されているからである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度に試行的に行ったジェネリック・スキルを育成するための授業を改良した上で研究対象者(受講者)をより増やして介入研究を行う予定である。また,教員養成学部内に情報を発信し,組織的な研究へと拡大させたい。
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Causes of Carryover |
論文抜刷代金の請求が不確定で年度末か次年度になるかわからないため残ったのもである。令和2年度に執行できる見込みであり,それによって計画にそった支出に戻ると考えられる。
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