2018 Fiscal Year Research-status Report
科学的仮説形成に関する実証的研究-具体的操作から児童が主体的に実験に向かう過程-
Project/Area Number |
18K02613
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松本 謙一 金沢大学, 学校教育系, 教授 (80334704)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 単元構想 / 予備実験 / 児童の反応 / 教師の意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究協力者として本田敏也(日本初等理科教育研究会支部長、研究実践校:富山市立速星小学校長)、澤武俊一(同研究企画部部長、研究実践校:氷見市立湖南小学校長)、荒田修一(同 研究企画副部長、富山市立古里小学校長)、松田博昭(研究実践校:入善町立ひばり野小学校長)、さらにそれぞれの学校の教員と連携を密にして、この3校との継続研究を中心に行った。富山市立速星小学校では、小学校3・4・5・6学年から各1実践、氷見市立湖南小学校では、小学校3・6学年からそれぞれ1実践、入善町立ひばり野小学校では、3・4・6年からそれぞれ1実践の合計9実践の実践データ(構想、授業の記録、児童の反応・記録)を予備実験的なデータとして得ることができた。 また、来年度に向け、氷見市立湖南小学校、入善町立ひばり野小学校と、反省会と改善点を明らかにし、来年度の実践研究への見通しをもった。又、石川県の研究グループとも、研究の目的内容・方法をまず説明し、教職員との共通理解を図り、来年度夏の研修会の持ち方について協議した。 更に、9月には、北アイルランド・アイルランドにでかけ、アイルランドの理科教育の現状視察だけでなく、クイーンズ大学を訪問し、同行のDr. McClune、富山大学の成瀬喜則教授、同 岡﨑浩幸教授と、松本の提案について協議し、子どもだけでなく、教師の意識についてもデータが必要など、多くの知見を得た。 3月には、来年度訪問予定だったスウェーデンに出かけ、サイエンスフェスタやスウェーデンのFyrisskolan, Tiunda skolan, Örsundsbroskolan, Sverkerskolan小学校の理科教育視察を行い、「理科・科学」の捉え方について、知見を深めた。とくにモニカ・ウォルテット校長・信州大学林寛平准教授との意見交換は、研究の方向性について有意義だった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
来年度の授業実践研究に向けて、データの取り方、単元構想の問題点と改善の方向などが明らかになった。 それらを受けて、来年度の実践研究の計画を具体化・共通理解できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度の成果を受け、以下の点を重視しながら、データの集積・分析を行う。
1 一層子どもの意識を重視した単元構想 2 特に、導入時と、発散的実験直後の話し合いの持ち方について、詳細な計画を練り、モデル化を図る必要性があること 3 教師の意識をどのように変えなければならないか、又、変えるための手続きについても考える必要があること
|
Causes of Carryover |
2019年度のスウェーデン出張を前倒しして2018年度末に実施したため、旅費も前倒ししてもらったが、予定が変更になったため、残金が生じた。
残額は2019年度の出張旅費として活用する予定である。
|