2021 Fiscal Year Research-status Report
科学的仮説形成に関する実証的研究-具体的操作から児童が主体的に実験に向かう過程-
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18K02613
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松本 謙一 金沢大学, 人間社会研究域, 客員研究員 (80334704)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 問題解決 / 予備実験 / 帰納法・演繹法 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、コロナ禍の影響で夏休みに予定していた石川県・富山県の研究グループとの2泊3日の研究合宿を、富山大学附属人間発達科学部付属小学校にて2日間連続の日帰りにして規模を縮小して行った。その中で、本科学研究にかかわる基調提案を行い、文部科学省教科調査官(小学校理科)の生川先生より、現在実施されている学習指導要領との関連などについての助言を頂いた。 今年度はコロナ禍でありながら、高岡市立牧野小学校《富山県小学校教育研究会研究指定校、片境俊二校長)との共同実践研究の許可が下り、主に牧野小学校を中心にした実践研究を行った。そのほか、砺波市立庄南小学校でもデータ収集を行った。 高岡市立牧野小学校は、職員数45名の大規模校であることから、実践データの収集以前に、職員の研究に対する共通理解、単元構想の具体化に、大きな時間を費やした。全13回の訪問による対応で、3.5.6年生の計3単元の実践研究を中心に行った。特に、3年《コンチュウの体のつくり》《チョウの成長》と5年《流れる水のはたらき》の3単元では単元を通してのを通しての詳細なデータ収集を行った。 詳細な知見を得たこの3つの単元は、第2分野(生物・地学)に属する。これまで第1分野(物理・化学)の問題解決やモノづくりの単元が多かったが、新たな分野の知見を得ることで、モデルが完成に近づいた。 牧野小学校の教員の、意識調査も2年連続行い、モデルを普及していく上での知見も得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高岡市立牧野小学校のみとなり、規模も縮小して行った。また、富山・石川の研究グループとの、夏休みの合同研究合宿もコロナ禍により、規模を縮小して行った。 これらを踏まえて、実践データ不足もあり、まとめに入ることができなかった。 さらに、予定していた海外での研究発表の機会をコロナ禍により、失った。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、高岡市立牧野小学校において、3年目の実践研究を行う。ここでは、これまで行ってこなかった単元の実践データを収集し、これまでのデータと併せて情報を整理し、モデル化の確立図る。 また、新たな知見を加えて、小学校理科の単元配列について素案を改善する。 国内の研究者からの助言をもらうとともに、コロナ禍が収まれば、外国での研究発表を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、海外での研究発表が出来なかったり、国内での研究発表や情報交換が思うように出来なかったりしたため、研究のまとめに入ることもできず、今年度の予定していた年度使用額に未使用額が生じた。 今年度に引き続き、高岡市立牧野小学校ほかで、授業実践データを収集するための旅費や消耗品費が必要となる。国内外の学会発表、情報交換のための旅費が必要となる。 研究のまとめの補助のための人件費が必要となる。
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