2023 Fiscal Year Research-status Report
科学的仮説形成に関する実証的研究-具体的操作から児童が主体的に実験に向かう過程-
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18K02613
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松本 謙一 金沢大学, 人間社会研究域, 客員研究員 (80334704)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 問題解決 / 予備実験 / 帰納法・演繹法 / モデル化 / 主体的な学び / 自由な試行活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で明らかにすることは、以下に集約できる。 1)小学校理科の内容の中で、事象提示から「自由な試行活動」→「結果の発表」を経て、実験にはいることに適した単元を選び、各単元の単元展開(学習の流れ)を示す。2)1)を集約し、普遍的な単元展開モデル、とくに、「自由な試行活動」以降どのような手続きを経ることで、子どもは自らの意思・判断で実験に踏み出そうとするかのプロセスを明らかにする。3)1)2)をふまえ、広く小学校の理科実践への普及をはかるために著書を出版する。 実践研究実践研究では、コロナ禍が今年度も当校で一時蔓延したこともあり、新たな単元での実践研究を福光中部小学校6年理科『てこのはたらき』のみにおける単元展開を中心に研究を行うとともに、これまでの3年間に行った様々な単元における子供の育ちやその解釈について、実践研究者グループと意見交換を繰り返し行うことで、解釈の妥当性を高めた。 一方、理論研究、つまりモデル化については、これまでの実践から見えてきた今時点でのモデルと多様な視点から見た意義について、日本理科教育学会北陸支部大会にて、『具体的操作から児童が主体的に実験に向かう過程5 ―主体性・創造性の育成に向けた単元展開のモデル化の試み―』と題して、研究発表を行い、広く国内の先生方からご意見や助言をいただいた。 また、9月に、Universiti Teknologi Malay行われた行われたSTEM and ESD Seminar between Malaysia and Japanにおいて、研究成果を Elementary School Science Education Incorporating Creative and Proactive Learningの題目で発表し、副学長はじめ参加者に評価を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍直後でもあり、南砺市立福光中部小学校一校のみでの実践研究となり、規模も縮小して行った。 これまでの実践の考察をより客観的な解釈となるよう、授業社党ときめ細かい対応に追われ、共同研究者に対して、出版に向けての働きかけには至らなかった。 海外での研究発表も踏まえ、来年度には、論文としてまとめる必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
国内の研究者から助言をいただきながら、論文としてまとめる。 また、できれば、出版物の形を示し、出版への見通しを確かにする。
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Causes of Carryover |
今年度は論文としてまとめることができなかったので、来年度にまとめに必要な消耗品費、まとめに必要な情報を得るための学会参加費などが必要となる。
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