2020 Fiscal Year Research-status Report
幼児期から児童期を通した「造形遊び」における探究行動に関する質的研究
Project/Area Number |
18K02616
|
Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
村田 透 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (30469473)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新関 伸也 滋賀大学, 教育学部, 教授 (80324557)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 造形遊び / 図画工作 / 幼児教育 / 探究 / 幼小接続 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.滋賀大学教育学部附属小学校における「造形遊び」の題材開発・実践。研究チームが連携・協力して、主に中学年児童を対象として「造形遊び」の題材開発・実践を各年度のⅠ期(4~8月)、Ⅱ期(9~12月)、Ⅲ期(1~3月) の各期に1つの題材を行う予定であった。ただし、全国的な新型コロナウィルスの感染拡大の予防として附属小学校での題材開発・実践を断念した。 2.小学生の探究行動の記録・分析・考察。「造形遊び」の題材開発・実践を行うことはできなかったが、令和元年度の事例について、エピソード記述や相互行為分析をして考察を行った。また、「造形遊び」における理論的研究(身体論、記号論、言語論、発達論など)を行い、研究チームを中心に「造形遊び」における探究に関する研究会(2021.3.6、オンライン開催)を行った。 3. 小学生の探究行動の報告・省察。滋賀大学教育学部附属小学校の研究協議会での教科分科会を活用して報告し省察をする予定であったが、新型コロナウィルスの感染拡大の予防として研究協議会が公開授業のオンデマンド動画配信となったため、報告・詳細を行うことができなかった。第70回滋賀県美術教育研究大会・高島大会における小学校での「造形遊び」の研究授業(2021.1.29)に関して、指導助言者として加わり、本研究での実践事例を基にした題材検討や、事例の分析・考察のなどについて協議を行った。 4.成果発表。以下1件の投稿論文を行った。(1)「「造形遊び」における子どもの探究―「造形遊び」における現象学的考察―」(『滋賀大学教育学部紀要』第70号、pp.125-142、2021.3)。本研究に関する投稿論文(「「造形遊び」における子どもの探究について―矛盾の構築と表 現世界の形成過程との関係性―」『美術教育学』第41号)について、美術科教育学会第18回『美術教育学』賞を受賞した(2021.3)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究協力先(滋賀大学附属小学校)における「造形遊び」の題材開発・実践について、当初の計画では中学年児童を対象として各年度のⅠ期(4~8月)、Ⅱ期(9~12月)、Ⅲ期(1~3月) の各期に1つの題材を行うとしていたが、新型コロナウィルスの感染拡大の予防として題材開発・実践ができなかった。ただし、これまでの実践記録データを基にして、詳細な分析と「造形遊び」の探究に関して理論研究を進めることができ、新たな知見(記号論、言語論、遊び論、現象学など)を基にした論文投稿1件と学会賞受賞を得ることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度である令和3年度の主な研究計画は、以下である。 1.滋賀大学教育学部附属小学校における「造形遊び」の題材開発・実践。研究チーム(代表者、分担者、小学校教員)が連携・協力して「造形遊び」の題材開発・実践する。ただし、全国的な新型コロナウィルスの感染拡大の予防により題材開発・実践が非常に難しい状況となることが予測される。 2.児童の探究行動の記録・分析・考察。事例についてビデオやカメラを用いた周辺的・関与的な観察・撮影をして実践を記録する。事例について研究チームで 情報を共有すると同時に、エピソード記述を作成する。その記録を基に相互行為分析をして、探究行動の分析・考察を行う。題材開発・実践が難しい状況においては、「造形遊び」の探究に関する理論的研究を進めるとともに、これまでの事例の詳細な分析・考察を行う。 3.児童の探究行動の報告・省察。児童の探究行動について、研究者チームとの随時・継続的なミーティングや情報交換、校内研究会や公開研究会を活用した報告を行い、省察を行う。 4.成果発表。本研究と関係がある3つの学会(大学美術教育学会、美術科教育学会、日本美術教育学会)等にて、学会口頭発表や論文投稿を行い、研究成果を公表して研究への示唆を仰ぐ。
|
Causes of Carryover |
(理由) 経費項目(旅費、人件費・謝金)について、全国的な新型コロナウィルスの感染拡大の予防により、題材開発・実践の断念、観察記録作成の謝礼の不要、学会のオンライン化による旅費・交通費・参加費不要などにより、それらの経費を物品費(書籍、機材など)に充てる変更を行ったため残金が生じた。 (使用計画) 令和3年度は、当初の計画通り、滋賀大学教育学部附属小学校での「造形遊び」を継続的に実践・記録・分析し、成果を発表する予定である。そのため予算を 「造形遊び」の用具・材料 や記録機材の購入、学会等に参加するための旅費・参加費、論文投稿料、研究協力者への謝金に充てるものとする。前年度の残金に関して、物品費に充てるものとする。
|