2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the vocational competency-oriented language education in German vocational school
Project/Area Number |
18K02618
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
土山 和久 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00273821)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ドイツ職業学校 / ドイツ語教育 / コミュニケーション教育 / 職業教育カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
ドイツ連邦共和国ノルトライン・ヴぇストファーレン州における職業学校の国語(ドイツ語・コミュニケ―ション教育の実態を解明・考察する本研究の最終年度の取り組みの中心は、令和5年11月15~17日期間、Herford市にあるAWO職業学校(コレーク)を訪問し、同校の授業実践の参観であった。 同校は健康・福祉系の私立職業学校であり、主に幼稚園教諭を養成するコースの授業を見学した。その際、本研究の中心テーマである国語(ドイツ語・コミュニケーション)の授業と並んで、幼稚園教諭の専門性に直結する心理学や教育学、美術や音楽の授業も見学させていただいた。見学した授業の基本設計として共通するのは、修得すべき教育内容の理論的特質や分析手法を学んだ上で、それらを実際のコミュニケーション場面や教材研究で応用・省察する活動へ展開する点であり、理論と実践をつなぐ展開が顕著に看取された。それに加えて注目すべきは、自律的な職業主体の形成に欠かせない、スキルやメソッドの明確化であった。それらに対してさえも、自動的に習得が促されるのではなく、それぞれの長短の検討が必然的に授業プロセルの中に位置づけられているのも印象的であった。 また、授業見学と並んで、州の公的カリキュラムを踏まえた同校独自の教育カリキュラム資料も提供いただき、両者の間の整合性を考察したり、授業実践の系統性のリアリティを解明する契機も得ることができた。 最終年度の成果は、学会発表および研究論文の形で、未だ公表するに至っていないが、時機をみて、近いうちにアプローチしてみたい。新型コロナウイルスの影響で、本研究から得た知見を我が国の職業教育に援用する試みには着手できなかったことは残念であった。
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