2019 Fiscal Year Research-status Report
創造性による課題発見・解決力を育む美術教育カリキュラム開発のための実践的研究
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18K02623
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
清田 哲男 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (20550841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 智也 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (50737822)
大橋 功 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (70268126)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 美術教育 / 創造性 / 多様性 / 学習カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ユニバーサルデザイン(UD)の概念を基軸とした前申請の美術教育の学習モデルの成果を踏まえ、創造性をベースにした授業モデルと達成度指標の構築し、実践、検討を行うことである。その達成のために、平成31年度(令和元年度)では以下の研究を中心に行った。 1)アメリカ・中国での美術教育を基軸とした創造性教育の情報収集および大学間レベルでの研究推進機関の立ち上げ 本研究と同じく、美術教育をベースに学習意欲を持続させ、かつ創造的に社会との接点を見出させるSTEAM型の研究実践を行っているアメリカLesley UniversityやBoston Children'Museumとオンラインで情報を共有した。一方、中国の四川師範大学、浙江師範大とは訪問の上、直接討議し、芸術教育における創造性の重要性について共通認識を行った。アメリカ、中国の研究機関とも、研究を進める方向で同意した。また、Institute for Human Centered Design office とのuser/expertの見解についての共同研究などを行った。そして、以上の大学間連携によるカリキュラム検討を行うため、岡山大学国際創造性教育研究所を設置し国際的な研究を始めた。 2)創造性が社会と出会う美術教育の過年度のまとめの学会論文発表とHPの開設 多く教育現場、研究機関に本研究の重要性を周知するために、HP『創造性が社会と出会う芸術教育(ANCS)』(https://www.ancs.site/)の設置を行い、教員による造形体験の研修会の主催、および、コロナ禍での家庭学習における創造性の育成の学習課題の提示等を行った。また、大学間連携等による研究成果を2つの学術論文にまとめ、両方とも別の日本学術会議協力学術研究団体の学会での発表に至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度に計画した、①調査方法の再検討、②書籍発刊と授業実践者再募集、③評価方法検討、④到達度指標の再検討、⑤アメリカでの創造性教育の調査と情報収集の項目について、①、②、⑤について、概ね達成されている。 ①は、調査項目の検討を順次行っており、令和2年度以降の年間指導計画で反映する予定である。 ②は、平成30年11月に書籍『子どもが夢を叶える図工室・美術室 創造性が社会と出会う美術教育(ANCS)をめざして』(ISBN978-4-86555-057-3)を出版し、本書籍を活用して、新たなカリキュラムのための研究・実践のための研修会を月1回の割合で実施している。 ③④については、令和2年度、本研究を踏まえた年間指導計画で小学校、中学校にて授業実践をし、アンケート調査を行う予定にしているが、令和2年になり、COVID-19による影響で、実践・調査が進まない状況となっている。そのため、令和3年度以降の授業実践を視野に入れている。 ⑤については、実績の概要の記述のとおりで、令和2年度に、アメリカや中国から研究者を招聘してシンポジウムを行う方向で合意できている。しかし、、COVID-19による影響によって招聘だけでなく、フォーラムを開催すること自体が困難な状況となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、滞っている小学校、中学校での実践研究者による調査を次年度以降も継続して実施する方策である。これらの成果を令和2年度(最終年度)に国際的なシンポジウムを開催し、発表する予定にしているが、現在、令和3年度への繰り越し開催を含めて検討中である。今年度は、カリキュラム等の学術理論研究等、現段階の成果を英訳し、国際学会で発表し、評価を受けたい。 1)平成30年度11月に書籍にまとめた題材を児童・生徒の実態に合わせて計画的に行い学習の持続性への意識の増減と題材との関わりを調査・考察する。 2)創造性が社会と出会う美術教育(ANCS)の考え方に基づき、新たな題材の開発とその成果を引き続き調査・考察する。 3)創造性教育を大学の高等教育でのカリキュラムを作成し、岡山大学国際創造性教育研究所にて、他国の知見を踏まえて検証を行い、シンポジウム・フォーラム、学術論文等で発表を行う。
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Causes of Carryover |
本年度、共同研究予定のアメリカへの渡航予定、あるいは招聘予定が、COVID-19によって不可能となったことを受け、渡航及び招聘を次年度に行うため次年度使用額が発生している。 また、小学校。中学校での実践研究も次年度への繰り越しが増え、予定していた教材費等についても次年度使用額として発生している。 次年度、COVID-19の状況で研究調査の状況が変化するが、現時点では、延期とした事業を実施し、調査、検討を行い、成果を発表したい。
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