2019 Fiscal Year Research-status Report
教員養成系学生を対象としたプロジェクト学習を活用した食育実践力向上プログラム構築
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18K02632
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
篠原 久枝 宮崎大学, 教育学部, 教授 (40178885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
帖佐 悦男 宮崎大学, 医学部, 教授 (00236837)
鶴田 来美 宮崎大学, 医学部, 教授 (30258983)
田中 紀子 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (90122324)
濱口 郁枝 甲南女子大学, 人間科学部, 教授 (80521997)
秋永 優子 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (70167948)
磯部 由香 三重大学, 教育学部, 教授 (80218544)
江藤 望 宮崎大学, 農学部, 准教授 (90232959)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 教員養成系 / 食育実践力 / プロジェクト学習 / 世界農業遺産 / 食文化 / 食生活 / ロコモ度テスト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は教員養成系学生を対象に食育実践力の資質向上を図るために(A)自己の心身の状態(ロコモ度・ストレス状態)と生活課題(食生活)を客観的に捉え課題解決を図るためにeポートフォリオを活用したプロジェクト学習の構築 と(B)世界農業遺産やユネスコエコパークなど地域の資源を活用した食に関する包括的プログラムの構築をめざすものである。 (A)については、2~4年生を対象に健康診断時に握力測定、ロコモ度テスト(2ステップ値、立ち上がりテスト)、ストレス測定、食生活調査を実施した。その結果、「2ステップテスト」、「立ち上がりテスト」共に年齢別目安値以下の者が1~4割に見られ、大学生であってもロコモ予防対策が必要なことが示唆された。「ストレス測定」については、「疲労・ストレス測定システム」による測定を試みたが、測定環境による影響が大きく、今後の課題となった。食生活については、食生活リテラシーと食物摂取頻度調査を行った結果、食生活リテラシ-高群の方が、たんぱく質やビタミン類の摂取状況が良好であり、食生活の改善のためには、食情報の活用などのリテラシー教育の必要性も示唆された。 (B)については、世界農業遺産に登録されている「高千穂郷・椎葉山の山間地農林業複合システム」を活用したプロジェクト学習を家庭科専攻の1~4年生で行った。各自の問題意識より目的と具体的な目標を設定して事前学習としてポートフォリオによるプロジェクト学習を進めた後、1泊2日の研修旅行を実施し、プロジェクトの完成を目指した。その結果、椎葉の食文化(雑穀料理や蕎麦、山菜など)についての関心や教材としての活用への意識の高まりが顕著に見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度に計画していた研究のうち、(A)自己の心身の状態(ロコモ度・ストレス状態)と生活課題(食生活)については、健康診断を活用して「ロコモ予備軍」の実態把握と質問紙による食生活・活動量調査,抑うつ尺度調査を実施することができた。ストレスマーカーの予備調査については、疲労・ストレス測定システムでは測定環境に左右され、更なる検討が必要となった。 (B)世界農業遺産やユネスコエコパークなど地域の資源を活用した食に関する包括的プログラムの構築についても、「高千穂郷・椎葉山の山間地農業複合システム」について、五ヶ瀬町の雑穀栽培、椎葉村の特に焼畑についての現地聞き取り調査を実施することができた。さらに学生個々人が「高千穂郷・椎葉山の山間地農業複合システム」に関するプロジェクト学習(プロジェクト椎葉)を推進することができた。ただ、システム上の問題からe-ポートフォリオではなく、紙媒体のポートフォリオとなった。 以上より、(2)おおむね順調に進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、(A)自己の心身の状態(ロコモ度・ストレス状態)と生活課題(食生活)については、サンプル数を増やして、より詳細な大学生の実態解明を計画している。さらに、個々人のデータのフィードバックを早めに行い、講義中に個々人の食生活改善に繋がるプロジェクト学習を実施できるようにして、そのプロジェクト、成果についての検証を行う予定である。ストレスマーカーの測定については「疲労測定システム」以外の方法についての情報収集・実施を検討していく。 (B)世界農業遺産やユネスコエコパークなど地域の資源を活用した食に関する包括的プログラムの構築についても、椎葉村、五ヶ瀬町以外の「高千穂郷・椎葉山の山間地農業複合システム」の取組や「綾地域ユネスコパーク」などの県内の資源について現地調査や聞き取り調査を行い、食育基本法第七条に明記された我が国の伝統ある食文化、地域の特性を生かした食生活、環境と調和のとれた食料の生産と消費等を実証するプロジェクト学習を推進する基盤を構築していくことを計画している。e-ポートフォリオの活用についても検討を重ねていく。
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Causes of Carryover |
ストレス測定のために購入を検討していた「疲労・ストレス測定システム」は、導入費用が約140万円、運用費が月額約4万円と高額であり、購入することは断念せざるを得なかった。ただ、一部レンタルできる機種もあり、健康診断時に2台レンタルして測定を行ったが、このシステムは交感神経と副交感神経のバランスを測定するものであり、体育館という環境下では正確な測定をすることが出来なかった。後日、再度レンタルして隔離した個室においての繰り返し測定を実施したが、個人内変動が大きく精度の高い結果を得ることが出来なかった。このシステムは、一時的にあるストレスを負荷した前後の測定には有用であるが、平常時の状態として測定値を活用することは難しいことが示唆された。ストレスマーカーの測定方法については今後も検討を重ねていく予定である。 下肢筋力測定器ロコモスキャンRも84万円と高額であり、レンタルによる測定を試みる予定であったが、コロナ禍の影響により学生の入構制限があり、実施できなかった。今後、ロコモスキャンRのレンタルによる測定も計画している。 一方、プロジェクト学習のための現地調査費用、バス借り上げ代などが予定の約3倍の費用となったため、次年度もこの予算確保のために繰越金が必要となった。
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Research Products
(15 results)
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[Presentation] Prevalence of masked obesity associated with lifestyle-related habiats, eating habits, and energy metabolism in Japanese female2019
Author(s)
Tanaka N, Okuda T, Shinohara H, Hirano N, Higashine Y, Hamaguchi I, Kang J, AsanoY, Umemoto M, Sakakihira M, Nighioka N,
Organizer
13th Asian Congress of Nutrition
Int'l Joint Research
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