2018 Fiscal Year Research-status Report
雑草の不思議・なぜで探求力を育む理科・生物学の観察・実験教材の開発
Project/Area Number |
18K02633
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
露崎 浩 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (20217384)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 雑草の不思議・なぜ / 探求力を育む / 理科・生物学 / 観察・実験 / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、身近な植物である「雑草」を理科・生物学の優れた教材と捉え、「不思議・なぜ」という感動・疑問から始まる教材(「雑草の観察・実験補助教材」)を開発することである。平成30年度の研究成果は次の三つである。 ①小学校、中学校、および高等学校の理科・生物学教育の学習の内容、およびそれらの関連・接続の実態を、学習指導要領および教科書(四つの出版社の教科書)で調査し、整理した。あわせて、教科書で取り上げられる雑草の種類をリスト化した。その結果、理科・生物学教育の三つの大分野のうちの一つである「生物の構造と機能」分野において、雑草が用いられている頻度が最も高いことを明らかにした。また、小学校1~3年および中学校1年の教科書において、多数の雑草が観察・実験の対象として記載されていることを把握した。あわせて、小学校、中学校、および高等学校の教科書に共通して取り上げられている雑草が複数種(カラスノエンドウ、シロツメクサ、ナズナなど)存在することを見出した。 ②これらの調査結果に基づき、小学校、中学校、および高等学校の理科・生物学教育に結びついた「雑草の観察・実験補助教材」の大まかな構成・内容を定めた。 ③「雑草の観察・実験補助教材」で取り上げる個々の雑草のいくつか(スギナ、ハルジオンなど)において、観察・実験の手引を作成するための活動(写真の撮影、教材化のための実験)を開始した。 本研究により開発される「雑草の観察・実験補助教材」を用いた教育により、児童・生徒は、「不思議・なぜ」という感動・疑問を持って生物を観察し、調査や実験を計画・実施し、その結果を考察する、という一連の探求的活動を行い、探求力を育むと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下の1~3の理由により、研究はおおむね順調に進展している。 1 小学校、中学校、および高等学校の理科・生物学教育の学習の内容、およびそれらの関連・接続の実態を調査できた。 2 開発する教材の大まかな構成や内容を定めることができた。 3 教材とする予定のいくつかの雑草について、教材化のための実験等を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度は、前年度に引き続き、小学校、中学校、および高等学校の理科・生物学教育の学習の内容、およびそれらの関連・接続の実態を、教科書などで調査する。その調査結果を踏まえ、小学校、中学校、および高等学校の理科・生物学教育に結びついた「雑草の観察・実験補助教材」の構成を確定する。 その上で、令和元年度以降に、「補助教材」で取り上げる個々の雑草の観察・実験の手引の作成を進める。 研究成果となる「雑草の観察・実験補助教材」は、冊子体およびホームページ版で令和元年度より公開を始め、令和4年度の完成を目指して内容を充実させていく。
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Causes of Carryover |
(理由) 人件費として使用予定としていたアルバイト料に、主な未使用が生じた。 (使用計画) 次年度の助成金は、主に、人件費(アルバイト料)、消耗品費、および旅費に使用する計画である。「次年度使用額」は人件費および消耗品費に充てる予定としている。
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