2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K02640
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
内山 有子 東洋大学, ライフデザイン学部, 准教授 (30449996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
衞藤 隆 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 名誉教授 (20143464)
佐々木 司 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (50235256)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 健康診断 / 健康管理 / 幼稚園 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、全国の幼稚園における健康診断の実施状況や養護教諭の配置状況、保健室の設置設備などの実態を調査することによりわが国の幼児の保健管理の実態を明らかにし、幼稚園から小学校へのスムーズな保健管理の連携や幼児期から行うべき生涯を通じた健康づくりについて検討することを目的としている。 2019(令和元)年度は幼稚園における保健管理に関する国内外の文献を収集するとともに、7月、10月、11月に計3回の研究会議を行い、2018(平成30)年度に実施した予備調査(国立幼稚園2園、公立幼稚園2園、私立幼稚園2園)の分析を行った。 その結果、学校保健安全法およびその施行規則に明記されている幼稚園での健康診断検査項目の内、身長、体重計測、歯科検診は6園すべてで実施されていたが、視力検査を行っている園は1園、聴力検査を行っている園は2園など、実施項目のうち「ほぼ全員に実施される項目」が未実施の園があることが分かった。 また、7月にスウェーデン・ストックホルムにて開催されたThe 20th School Nurses International Conferenceに参加し、カロリンツカにある小児病院の見学や24か国から集まった180名のスクールナースと幼稚園での健康診断の実態や幼児期の健康管理に関する学術交流を行った。特に、アメリカのスクールナースによる「子どもの健康管理や保健教育に関するデータ収集の方法」に関するシンポジウムは本研究において大変有意義であり、幼少期からの健康診断の在り方や健康教育、健康管理との有機的な連携の重要性について学ぶことができた。 これら前半の活動を基に、今年度の計画であった「幼稚園における健康診断の実態調査」を2020(令和2)年2月に全国の幼稚園で行う準備を行っていたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、延期することとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、昨年度の予備調査結果を基に改良した「幼稚園における健康診断の実施状況や養護教諭の配置状況、保健室の設置設備などの実態に関する全国調査」および「幼稚園保健室の実地視察および幼稚園養護教諭へのインタビュー」を行い、健康診断の実態および課題分析を行う予定であった。 しかし、これらの準備中に新型コロナウイルスの感染拡大が発生したことにより、幼稚園の休園および幼稚園教職員の休職が相次いだため、調査実施時期を延期した。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染拡大が終息し、幼稚園が再開したタイミングを考慮し、全国の約1,000幼稚園(国立49園、公立3,737園の10%、私立6,688園の10%)に「健康診断の時期・回数・検査項目」「保健指導の実施状況」「保健室の有無」「保健室の備品」などを問う質問紙を郵送し、回収、集計、分析を行う。 同時に、幼稚園の保健室視察および幼稚園養護教諭へのインタビュー調査も実施する予定である。 上記の調査結果を総合的に分析し、幼稚園における保健管理の現状と小学校への健康情報のスムーズな連携の可能性を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
2020(令和2)年2月に全国の約1000幼稚園で行う質問調査の郵送準備および幼稚園保健室視察や幼稚園養護教諭へのインタビューの準備を行っていたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け延期することとなった。 そのため封筒や切手代、交通費や謝金などに次年度使用が生じた。
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