2020 Fiscal Year Research-status Report
Actul Condition Survay on Music Education practice for Movable and Fix Do
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18K02641
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
水戸 博道 明治学院大学, 心理学部, 教授 (60219681)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 音高知覚 / 読譜 / 音楽教育 / 絶対音感 / 移動ド / 固定ド |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、小中学校における楽譜の読み書き教育と、児童生徒の音感に関する実態をWebアンケートによって調査した。アンケートでは、楽譜の読み書きに関して(1)小学校と中学校においてどの程度読譜や記譜の教育を受けたのか(2)自分がどの程度楽譜を読むことができるのかという2点について質問した。また、この質問と関連して、(1)どの程度楽譜の読み書きができるようになりたいのか(2)楽譜を読めるようになることの必要性と利点をどのように考えるのかという2点を質問した。音感に関しては、(1)絶対音感という言葉を知っているか(2)自分は絶対音感を持っていると思うか(3)音高をドレミのシラブルで聞くことができるのかという3点について質問した。アンケートの参加者は都内の大学生72名であり、小中学校での音楽教育の経験を振り返って回答してもらった。 調査の結果、約9割の参加者が小学校と中学校において楽譜の読み書きの学習を行ったと回答した。また、読譜能力に関しては、ト音記号もヘ音記号も読むことができないと答えた参加者は約5%で、多くの参加者は何らかの形で楽譜を読むことができていることがわかった。また、楽譜が読めるようになりたいかという質問に対しては、80%以上の参加者が、読めるようになりたいと回答した。音感に関しての質問では、100%の参加者が「絶対音感」という言葉を聞いたことがあると回答し、その意味についても概ね正しく理解していることがわかった。さらに、音高知覚に関しては、10%の参加者が何らかの絶対音感を保有していると回答し、約半数の参加者が音高をドレミのシラブルで聞くことができると回答した。 本調査は、大学生を対象とした調査であったが、小中学校の読譜・記譜教育の実態を明らかにすることができた。また、一定数の参加者が音高の知覚において、シラブル符号化を行っていることもわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度はアンケート調査を行うことができたが、音高知覚に関する実験的研究は行うことができなかった。実験研究は、対面で個別に行うことが必要であるが、新型コロナの蔓延により、学校で実験を行うことの許可を得ることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、対面での実験が困難である場合、オンラインでの実験実施を計画している。オンラインによる音高知覚の実験では、音質やタイミングの精度がおちてしまうため、結果に影響を与える場合がみられるが、YAMAHAのsyncroomなどを活用して実験システムを構築していく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は、対面の実験や調査が行えなかったことから、旅費や謝礼の支出が発生しなかった。また、参加を予定していた国際会議も中止となったため、海外渡航の支出も発生しなかった。来年度は、対面の調査や実験が不可能な場合、最新のオンラインシステムを使用して実験を行う予定であり、そのための支出が見込まれる。また、国際会議が対面で開催された場合、参加する予定である。
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