2020 Fiscal Year Research-status Report
学校音楽カリキュラム経験の国際比較―教科学習経験産出装置としての学校音楽文化研究
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18K02643
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| Research Institution | Ritsumeikan University |
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Principal Investigator |
笹野 恵理子 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70260693)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 学校音楽カリキュラム / 学校音楽文化 / 国際比較 / 潜在的カリキュラム / カリキュラム経験 / 生きられたカリキュラム |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究を支える根本的な問いは、学校音楽カリキュラムは当事者である「学校成員」にどう経験されるか、というものである。本研究の全体構想は、学校音楽カリキュラムを、「文書化」され「計画化」された紙の上のレベルでなく、学習者の経験のレベルから把握しようとする試みである。すなわち学校音楽カリキュラムを「生き物」として、さまざまなコンテクストに媒介されて意味を生成する文化装置としてとらえ、その当事者の「経験」を分化させるものとして「学校音楽文化」を措定する。その仮説を強固なものにするために、国際比較研究を企図するものである。
2020年度は、コロナ禍によって、研究計画に著しく影響を及ぼしたが、研究計画を修正し、これまでの継続的な研究成果として単著を出版した。日本のデータをもとにまとめた本書の出版によって、国際比較の視点をより明確に確保することができた。
二つ目の成果として、韓国、中国教育課程について翻訳終了し、比較検討にはいることができた。現地調査が困難になったため、計画を変更し、2021年度に「制度化されたカリキュラム」比較での成果公表を予定しているところである。
三つ目の成果として、比較対象としている欧州のオンラインネットワークを構築することができた。このことはコロナ禍においてオンライン授業が実施される中で可能となったことであったが、今後当面現地調査が困難な状況が予測されるため、インタビュー調査はオンラインで実施することとした。真正性について一部課題は残されるものの、保護者とあわせてインタビューを実施することが可能になる点は、一定の積極的意味を有するものと考えられる。
研究最終年度である2021年度は、「制度化されたカリキュラム」比較とともに、インタビューデータを精査し、成果公表につなげたい。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍において予定していた現地調査が難しくなり、研究計画を修正せざるを得なかった。その意味で当初の計画よりやや遅れているが、現地調査をオンラインインタビューに切り替えることによって、一定のデータ確保は可能となるため、2021年度には回復できる見込みである。予定していた現地学校のフィールドワークは断念せざるを得ないが、インタビューを工夫することによって多角的なデータ収集につとめたい。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、コロナ禍において国際比較研究、特に現地調査による質的データを採用する本研究においては、研究計画を修正せざるを得ない状況となった。
今後の研究計画についての主たる変更は、第一にコロナ禍によって海外での現地調査が困難となったことによる研究手法の検討である。これについては、フィールドワークは当面現在の社会状況下においては困難であるため、実施しない方向に研究計画を修正することとし、代替の手法として、オンラインインタビューにきりかえる。当初は、インタビューはデータの一部として採用する計画であったが、インタビューデータを主なデータとして採用する。
第二の計画の変更は、比較対象とする地域について、当初の４か国から縮小することを検討する。これは現地調査が困難になったことに起因するものである。１～２か国に限定し、より掘り下げたインタビューデータを確保する予定である。
全体の研究推進方策としては、2021年度の計画として、「教育課程」の翻訳作業は終了しているため、「制度化されたカリキュラム」の比較と同時に、オンラインインタビューに特化して質的データからの比較検討をすすめる予定である。「制度化されたカリキュラム」比較と、「実践されたカリキュラム」「経験されたカリキュラム」の比較検討を、地域を限定してすすめたい。
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| Causes of Carryover |
2021年度使用額が生じた理由は、コロナ禍において海外の現地調査が実施できなかったことと、国内外の学会がすべてキャンセルまたはオンラインとなったため、計上していた旅費が未使用となったことによる。2021年度は、調査旅費については、オンラインインタビューを実施してデータを確保することから、インタビュー謝金、データ起こし謝金として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)
