2018 Fiscal Year Research-status Report
世界標準のLiteracy育成プログラム開発のための基礎研究―時間・身体・過程ー
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18K02646
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Research Institution | The International University of Kagoshima |
Principal Investigator |
千々岩 弘一 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 教授 (90163724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 卿美 長崎大学, 言語教育研究センター, 教授 (00346941)
鈴木 慶子 長崎大学, 教育学部, 教授 (40264189)
前原 由喜夫 長崎大学, 教育学部, 准教授 (60737279)
長岡 由記 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (90615915)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 世界標準のリテラシー / 手書き / キーボード入力 / フリック入力 / 時間・身体・過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度以降の研究計画の共有のために、第1回打ち合わせ会議を2018年9月4日に博多で実施した。その際、採択結果に基づく予算の状況を勘案しながら、当初計画していた360度の撮影ができるカメラを活用した調査方法を見直し、研究の目的に即した研究方法について意見交換を行った。それに基づき、次年度に予定されるノルウェーのアンネ・マンゲン氏との意見交換を見据えながら、手書きによる文章作成行為が他の方法によって行われる文章作成行為と「時間・身体・過程」においてどのような差異を持つのかを大学生を対象に調査することを確認した。同時に、具体的な調査方法の確認やアンケートの作成及び調査・分析・考察などに関わる体制を決定した。 続いて、第1回会議で確認した調査の結果及び分析・考察の内容を共有するために、第2回の打ち合わせ会議を2019年2月9日・10日に、鹿児島国際大学で行った。その際、長崎大学で実施した調査の結果を主要な素材として、「A 手書き群」・「B キーボード入力群」・「C フリック入力群」ごとの文章作成行為・作成された文章に関する分析・考察の内容を確認した。その上で、作成された文章を評価する「ルーブリック評価」の修正案の検討、「主観的評価」の追加について意見交換し、本年度中に追加の補助的調査(作成された文章に対する評価活動など)を実施することを確認した。同時に、次年度のアンネ・マンゲン氏との意見交換のための渡欧者及び日程を確認した。 2018年度末段階で、追加調査は実施済みであり、現在はその結果を踏まえた整理・分析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、360度撮影可能なカメラによって、「A 手書き群」・「B キーボード入力群」・「C フリック入力群」の文章作成活動を詳細に観察することを視野におさめていた。そのための備品購入予算を計上していたが、配分された予算額を踏まえ、研究目的を達成するために研究方法の見直しを行い計画の練り直しを行った。その結果、備品購入予算の執行を抑え、調査担当者による文章作成活動の観察による情報集と作成された文章の分析・考察を主軸とした調査研究を行うこととした。 なお、修正された研究方法で調査研究は、所属大学の学生を対象として「A 手書き群」・「B キーボード入力群」・「C フリック入力群」に分け、それぞれの文章作成行為及び作成された文章に関する分析・考察という内容で実施した。さらに、その結果を踏まえ、作成された文章を評価する「ルーブリック評価」の修正案の検討、「主観的評価」の追加について意見交換を行い、追加の補助的調査(作成された文章に対する評価活動など)を実施した。 以上の調査研究によって、研究目的を達成するための予備段階としてある程度の成果を得ることができたと考えている。その意味で、研究課題はおおむね順調に進展しているといえよう。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に行った調査研究の成果を踏まえ、2019年度は、研究の方向性に共通性を持つノルウェーの研究者であるアンネ・マンゲン氏との意見交換を行い、研究内容や研究方法への示唆を受けつつ、アンネ・マンゲン氏との共同研究の進め方について確認をしていきたい。 2020年度は、それまでの調査研究・意見交換を踏まえ、可能な限り調査対象を児童・生徒とした調査研究を行いたい。その上で、調査結果を学会などで報告したり報告書などにまとめたりしたいと考えている。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、360度撮影可能なカメラによって、「A 手書き群」・「B キーボード入力群」・「C フリック入力群」の文章作成活動を詳細に観察することを視野におさめていた。そのための備品購入予算を計上していたが、配分された予算額を踏まえ、研究目的を達成するために研究方法の見直しを行い計画の練り直しを行った。その結果、備品購入予算の執行を抑えることになった。 繰り越される残金については、2018年度に行った調査研究の成果を踏まえ、研究の方向性に共通性を持つノルウェーの研究者であるアンネ・マンゲン氏との意見交換を行うための渡航旅費に充てたい。これによって、アンネ・マンゲン氏との共同研究体制を確固としたものとすると同時に、研究内容や研究方法への示唆を受けつつ、本研究の初期の目的を達成することを目指したい。
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