2018 Fiscal Year Research-status Report
メタ認知的活動の促進による科学的能力の育成に関する研究
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18K02655
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
栗原 淳一 群馬大学, 教育学部, 准教授 (90583922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益田 裕充 群馬大学, 教育学部, 教授 (30511505)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 検証計画の立案 / メタ認知的活動 / 批判的思考 / 指導方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、理科授業において批判的思考のプロセスを組み込んでメタ認知的活動を促して「科学的探究を評価して計画する能力」を育成する指導方法の開発とその効果を検証するものである。 2018年度は、理科における「科学的探究を評価して計画する能力」を「検証計画を立案する能力」と位置づけ、全国学力・学習状況調査問題の傾向や検定済教科書の観察・実験の計画の記述から、その下位能力を「条件を制御し対照実験を計画する力」、「状況をモデル化して操作を計画する力」、「観察・実験結果を見通す力」の三つに絞り込んだ。そして、この三つの下位能力で構成する「検証計画を立案する能力」を測定する調査問題を作成した。また、批判的思考のプロセスを組み込んでメタ認知的活動を促す指導方法の開発を進めた。一つは、仮説設定から検証計画立案までを一体としたワークシートとそれを活用して検証計画を立案する能力を育成する具体的な指導の過程を開発した。一つは、検証計画を立案する方法を子どもたちが理解できるルーブリックとそれを活用して検証計画を立案する能力を育成する具体的な指導の過程を開発した。 一つ目の仮説形成から検証計画立案までを一体としたワークシートを活用した授業を実践して効果を検討した結果、メタ認知的活動が促進され、検証計画を立案できるようになることが明らかとなった。この検討により、検証計画を立案する能力の育成を図るには、メタ認知的活動を促すことが重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎資料となるデータの整理がスムーズに進行した。批判的思考のプロセスを組み込んでメタ認知的活動を促す指導方法や活用する教材について、研究協力者と打合せがスムーズに行え、検討が進み、実践に移行できる形になった。 また、次年度に実践とそのデータ分析を加速させるため、研究分担者を1名増員する手続きをとった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は開発した指導方法による授業を実践し、そのデータを分析し、成果を発表する。
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Causes of Carryover |
新年度になってから、実践で使用するワークシート等の種類や数量について研究協力者と打ち合わせる必要があるため、その分の額を残しておく必要が生じた。この残額は、実践でのワークシートやその他の調査用紙に充てる。
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