2019 Fiscal Year Research-status Report
メタ認知的活動の促進による科学的能力の育成に関する研究
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18K02655
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
栗原 淳一 群馬大学, 教育学部, 准教授 (90583922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益田 裕充 群馬大学, 教育学部, 教授 (30511505)
山田 貴之 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 講師 (90824277)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 検証計画の立案 / メタ認知的活動 / 批判的思考 / 指導方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、理科授業において批判的思考のプロセスを組み込んでメタ認知的活動を促し、「科学的探究を評価して計画する能力」を育成する指導方法の開発とその効果を検証するものである。 2019年度は、2018年度に開発した指導方法を学校現場での基礎的な実践から、修正点を見いだし、改善した。まず、2018年度に定義した「検証計画を立案する能力」の下位能力(要素)の再検討を行い、下位能力を「条件の整理」、「具体的な操作・手順」、「現象との対応(モデル化)」、「結果の見通し」の四つに修正した。この四つについて生徒が記述・立案できる指導プログラムを中学校において二つ実践した。どちらの実践も、指導のポイントは、四つの要素を記述する必要性をとらえさせ、自らの検証計画(実験計画)を評価・修正させることとした。その手法は、現状の生徒の実験計画の記述を基に四つの要素を記述する必要性をとらえさせるもの、実験計画の記述モデル(実験計画立案用ビジュアルルーブリック)を生徒に提示してその解釈をさせることで四つの要素を記述する必要性をとらえさせるものの二つとした。この二つの実践から、生徒は批判的思考のプロセスをたどり、その中でメタ認知的活動を行い、高い基準の実験計画を立案することができたことが明らかとなった。この成果を、2019年度第7回日本科学教育学会研究会で発表した。 また、小学校において主実験を行い実験前後の測定の必要性をとらえさせる指導実践事例を分析し、その効果を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度の基礎実践を踏まえ修正・改善を行ったことで、授業実践がスムーズに行えたことがおおむね順調に進展した理由である。また、今年度、新たに研究協力者を1名加え、議論できたことで、実践とその分析が順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、2019年度の成果を論文として発表する。また、さらなる授業実践を行い、その成果をまとめる。新型コロナウイルス感染症の影響で、各実践校の授業がストップしているため、新たな実践とその分析が期限内に行えない可能性がある。その場合は、開発した指導方法の提案という形で論文として発表する。
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Causes of Carryover |
学会発表による旅費の使用がなかったことにより生じたものである。 最終年度の論文投稿において、ページ数超過により投稿費用が大きくなることが想定され、それに充てる計画とした。
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