2019 Fiscal Year Research-status Report
教師の「第3教育言語」の分析を通した図画工作・美術科授業改善システムの構築
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18K02659
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大泉 義一 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (90374751)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 第3教育言語 / 教師の発話 / 授業研究 / 授業改善 / 図画工作科 / 美術科 / 子ども観 / 授業観 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,研究代表者の移籍が伴ったことと,covid-19の影響により,十分に研究を遂行することができなかった。その中でも取り組むことができた課題は以下の通りである。 (1)授業研究,とりわけ授業者の「授業観」「子ども観」「教育観」を視野に入れた授業研究に関する先行研究分析調査に取り組んだ。エリオット・アイズナーの「鑑識眼」,動機づけ理論における子ども理解など,今後の理論構築に資する情報を蓄積することができた。 (2)これまで取り組んできた研究成果のまとめを行うとともに,その成果を教育実践に還元するために,実践家(教諭)による活用事例を検討した。事例では,主に校内研修や市内研修の機会において実践を分析する際に,教師の発話,とりわけ「第3教育言語」の生起に着目して,その周辺の出来事(教師の意思決定,子ども理解の内実等)を語り合うことを通して,授業者,そして参観者の「授業観」「子ども観」「教育観」が顕在化していることを確認した。 (3)上記(2)の検討結果を美術科教育学会千葉大会で共同発表する予定であったが,covid-19の影響により開催が中止となったため,発表することができなかった。ただし,当大会の「予稿集」には,研究概要を掲載し,公開することができた(この「予稿集」への研究成果掲載は,別の学会への発表を妨げるものではない)。 次年度においても,covid-19の影響が続くと思われる。特に,教育現場で行われる授業実践への関与や,実践家との共同は困難であることが予測される。その対策として,文献調査や質問紙調査による研究遂行の可能性を探ることを検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
先述したように,研究代表者の移籍,covid-19の影響により,教育現場との共同が前提となっている本研究は,深刻な進捗の遅延が生じている。同時に今後の研究計画の大幅な変更も余儀なくされている。
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Strategy for Future Research Activity |
教育現場との共同においては,質問紙調査など,対面せずに実施できる研究方法に代替してゆくことを検討している。 また,文献調査の比重を重くし,理論面での強化を図ることも検討している。
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Causes of Carryover |
研究代表者が移籍したことによる研究体制の組み直し,ならびにcovid-19の影響による教育現場との共同研究の中止に伴う研究遂行の中断・遅延のため。
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Research Products
(6 results)