2023 Fiscal Year Annual Research Report
Ensuring Learning Potential in P.E. Classes for Lower-grade Elementary School Students by Kinaesthese Analogon
Project/Area Number |
18K02661
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
渡辺 敏明 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (90220904)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 学校体育 / 小学校体育科 / スポーツ運動学(発生運動学) / 運動アナロゴン / 促発指導 / 動感 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は,引き続きコロナ禍による児童の体力が大幅に低下している状況等に加えて,早い時期から熱中症対策が必要となり,体育活動の中で給水時間を小まめに設けることや体調確認を行う必要が生じた。また,学校現場では,児童が仲間と運動遊びを行う機会が減少したため,体つくり運動を通して,児童に仲間との交流を深める遊び方を提供して欲しいという要望が数多く寄せられた。このような状況を踏まえ,主に低学年児童を対象としたN県子どもの体力向上支援事業(小学校12会場)において,研究者が構成した低学年運動遊びプログラムを実践した。内容は,低学年領域の体系的な運動遊びを構想したものの中から仲間との交流や日常的に取り組める運動遊びを選択・修正して構成した(主に体つくりの運動遊び)。実践では,児童が運動遊びに取り組む様子をVTR撮影した。それに基づいて,各運動遊びで出現する動き方,各運動遊びに取り組む児童の様相,運動構成の適切性等について観察分析を実施した。加えて,参加した児童及び教師を対象として質問紙調査を実施した。観察分析と質問紙調査の結果から,児童においては,普段の体育授業と比較して意欲的に運動に取り組んでいる様子が確認され,運動遊びプログラムが運動へのなじみを触発することが示唆された。但し,コロナ禍において児童の運動経験(財産)が大きく減少していることから,これまでの想定より多くの運動アナロゴンによる構成や,より丁寧な運動の提示(指示)のしかたが必要であることが示唆された。また,教師においては,体つくり運動に対する認識の転換が確認されたことから,プログラムの一部(体つくりの運動遊び)を授業モデルとしてN県教員研修に取り上げて実践した。これらの研究結果の整理・分析については現在進めているところである。なお,令和5年度に発表した論文は,令和4年度における研究成果を論文にまとめたものである。
|