2018 Fiscal Year Research-status Report
高大連携による学際的ライティングの指導プログラムの開発
Project/Area Number |
18K02662
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小林 一貴 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (30345772)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 書くことの教育 / ライティング / ジャンル分析 / テクスト分析 / ディスコース分析 / 学際性 / 授業研究 / 授業の談話分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、情報の価値を判断し、新たな知識を創出する能力を育成するための学際的ライティングの学習指導プログラムを開発することである。2018年度は、研究実施計画に沿って、学習指導理論の構築と基礎データの収集を目的とする指導の実施計画の作成を中心に研究を進めた。この計画は、本研究の課題より「1, 情報・知識へのアクセスを通した問題発見、課題解決のプロセスの解明」と「3, 課題解決と知識創出を核とした学際的ライティングの指導方法」に焦点を当てて立てたものである。 学習指導理論の構築に関しては、テクスト・ディスコース論に基づいたアカデミック・ライティングの先行研究をふまえ、既存の知識のネットワークを基盤とした新たな知識の創出過程のモデルを構築し複数の研究論文に発表した。このモデルは、ひとまとまりのテクストを作り出す状況性・求心性の側面と、テクストの生成に関わる知識のネットワークの分散性・遠心性の側面、という2つの側面からライティングを通した知識の創出をモデル化したものである。 学習指導の実施計画の作成に関しては、高等学校において実施されているプレゼンテーション活動を取り入れた教育プログラムへのかかわりを通して、プレゼンテーション活動(語ること)とライティング(書くこと)の往還により、自律した知識創出の主体を育成のための学習指導の方法について調査、検討を行った。この調査、検討を通して、ライティング指導に向けたテーマの設定と指導期間、ICTの活用方法について考察を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施計画に沿って、学習指導理論の構築、指導の実施計画の作成を進めた。計画していた授業実践とその調査を通した基礎データの収集については実施ができず、計画に遅れが生じている。これは、調査に向けた協議の段階において高等学校では既に指導が開始されており、指導過程に合わせて授業の調査が行えなかったことが原因である。2019年度については、早い段階で授業計画と調査に向けた協議を進める予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2018年度の主要な成果は、学習指導理論のモデルの構築と指導の実施計画の作成である。これらに基づいて、2019年度は年度の前半において複数の高校における授業実践を行い、その調査を通して基礎データの作成を行う。年度の後半は学習過程の分析を行い、研究成果の発表に向けた準備を進める。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、当該年度に計画していた授業実践とその学習過程の調査を通した基礎データの作成について研究の遅れが生じ、印刷費と謝金の支払いがなされなかったためである。次年度においてこの研究の遅れた部分を実施し、授業資料の印刷費と調査のデータ作成にともなう謝金の支出を計画している。
|