2020 Fiscal Year Research-status Report
高大連携による学際的ライティングの指導プログラムの開発
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18K02662
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小林 一貴 岐阜大学, 教育学部, 教授 (30345772)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リサーチクエスチョン / 探求的な書くこと / 学際性 / カンファレンス / ライティング / ジャンル分析 / 授業の談話分析 / 書くことの教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、前年度に行った学際的ライティングの原理的考察に基づく授業実践とその分析、考察を行った。 第一に、リサーチクエスチョン(RQ)の構築プロセスのモデルに基づき、より実践的な立場からRQを立てるための「問い」作りを通した授業実践を提示した。それに基づき、大学生を対象とした実践を行い、論文に発表した。 第二に、高等学校との連携により、書くことの学習過程の分析を行った。学習者の書くことの中核となる「問い」が、学習者同士のインタラクションにおいてどのように生じているのか、その中心的な要因について分析、考察を行い、論文に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度までの成果をふまえて、複数の高等学校で授業実践を行う計画であった。しかし、感染症の拡大に伴う休校、ならびに授業計画の変更、学外者の入校制限等により、計画していた授業実践を行うことが出来なかった。そのため、高大連携に関わる大学生を対象とした授業実践について、規模を大幅に縮小したものを考察した。計画に、大幅な遅れが生じている。 本年度に計画していた授業実践については、1年遅らせて行い、データの収集を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の成果は、リサーチクエスチョンの構築が多次元の融合が具体的な声の構成によって遂行されるというモデルに基づいて、それを実践的な「問い」というかたちで具体化し、実践を行ったことである。実践の分析、考察を通して、時間・空間・声の属性についての「問い」を設定することを通して、学際性を伴ったリサーチクエスチョンの設定につながることを具体的に明らかにした。また、こうしたプロセスは、学習者同士のやりとりにおいても生じ得ることを確認した。これらの成果を、高等学校の授業実践において実現することが次の課題であり、そのために研究協力者との「問い」作りの協議を行っていくことが次の研究の方策である。
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Causes of Carryover |
当該年度に計画していた授業実践について、7.に記載した理由により年度内に実施が困難となった。そのため、授業実践の調査、分析に遅れが生じ、また基礎データの収集を行うことが出来なかった。授業実践に向けた物品の購入が中心となり、印刷費ならびにデータ化のための謝金、研究発表に関わる旅費の支払いがなされなかった。 次年度においてこの研究の遅れた部分を実施し、計画していた授業資料の印刷費と調査のデータ作成、研究発表に関わる旅費の支出を計画している。
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