2021 Fiscal Year Research-status Report
高大連携による学際的ライティングの指導プログラムの開発
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18K02662
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小林 一貴 岐阜大学, 教育学部, 教授 (30345772)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 問いの再構成 / 「問い」のための問い / 関係者の相互関係 / 探究的な書くこと / 作文カンファレンス / 足場づくり / ジャンル分析 / 学際性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、書くことの学習過程について、特に作文カンファレンスとしての交流家庭の記述方法について理論的な検討を進めた。また、リサーチクエスチョン(RQ)の構築を支援するためのワークシートを用いた授業を高等学校で行い、記入したワークシート、書かれた文章、カンファレンスの談話に基づいて学習過程の分析、考察を行い2つの論文に発表した。 学習指導の方法として、RQの構築ための「足場かけワークシート」を使用し、書くことに媒介される複数の関係者の立場や視点から問題状況を検討することを行った。そしてワークシートに基づく学習者相互のカンファレンスを行い、発想の拡充を図るとともに、「今現在、置かれている状況」や「関係者が直面している問題」を連結するようなRQの設定を学習の課題とした。 分析に際しては、(1)教室における直接の相互作用、(2)書かれるワークシートや文章を介した相互作用、(3)(1)(2)の相互作用にはたらく関係性、の観点を設定した。 分析を通して、ワークシートを用いたRQの関係者等の具体化により、当該の関係者の「声の断片」が具体化されることを指摘した。 また、カンファレンスの過程において関係者の声を用いた考えを述べることが行われていること、カンファレンスを通したワークシートへの加筆を通して、発信者や受信者側の声を用いながら、書くことに関わる相互作用の具体的な関係者の関連に基づく書くことが生じていることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
高等学校における授業実践を2020年度に行う予定であったが、1年遅れで2021年度に行った。それにより、高等学校の実践と調査に基づいて2021年度に予定していた大学における実践と調査を行うことができなかったため、大幅な遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の成果に基づき、研究期間を延長することによって、2022年度に大学における実践と調査を実施し、同時に高等学校における実践の調査と分析を継続して行う。次の点を中心として研究を進める。 (1)書くことに媒介される関係者の具体化を通した指導方法の検討、ならびにその指導方法に基づく書くことの生成過程の高大の比較 (2)カンファレンスにおける報告、論説のジャンルの生成へと展開する予備的な談話の特徴の解明 (3)高校生と大学生のRQの構築過程に関するインタビュー調査と分析
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Causes of Carryover |
2020年度に実施を計画していた授業実践とその調査が行えず、1年遅れとなった。それにより、2021年度に実施を計画していた調査も1年遅れとなったため、2022年度に授業実践の調査、ならびに研究成果の発表を行う。 2022年度には、授業資料音印刷費、調査データの作成・整理の謝金、研究発表に関わる旅費の支出を計画している。
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