2020 Fiscal Year Annual Research Report
A Basic Research on Developing Learning Assessment Strategies for fostering "Profound Learning" of Reading Comprehension
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18K02668
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山元 隆春 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (90210533)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 対話的論証 / 対話的討議 / 文学 / フィードバック / 学習評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
「どのような学習評価を継続して行えば、読むことの学びは深まっていくのか。その深まりをどのように見極めていくことができるか。」という課題について研究した。 米国のデヴィッド・ブルームらの取組を中心に検討し、「対話的文学討議(文学の対話的論証)」のなかで、学習評価によって文章表現の質を高めるために必要な教師の役割を明らかにした。とりわけ「フィードバック」のあり方を見極めることが必要であるという知見が得られた。文学作品についての話し合い過程で、「対話的論証」を行いながら、生徒の書いたその作品の「批評文」をクラスメイトと吟味して、書き手にフィードバックするためのあり方については多くの示唆があった。討議の参加者同士が「文学作品をきっかけにして、人間がともにあることの意味を探究するパートナー」としてその批評文の「オーディエンス」とはどういうものかを議論することや、書くことを取り巻く「制約」を考えていくことの重要性に加えて、「対話過程のなかでのフィードバック」を繰り返すことの重要性を指摘した。読むことの学びを深めていくためにも、授業のなかで「対話過程のなかでのフィードバック」を一人ひとりの学習者が得られるようにしていく必要がある。「対話過程のなかでのフィードバック」について、ブルームらの研究を参考にしながら、教師たちの授業中の問いかけをもとに、対話過程中の「フィードバック」の言葉を提案した。そのすべてを常に満遍なく用いるというよりも、文章を検討する際の目的と対象を意識して、議論の際に使う言葉を選択していく手がかりとなる。教室でのフィールドワークで得られた教師のフィードバックの言葉がもとになっているが、これらの言葉はピア・カンファランスなどで、友人の文章や発言にアドバイスするために使うことも可能になる。また最終年度の仕事として、3年間の研究を集約した報告書(A5版150ページ)を作成した。
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