2020 Fiscal Year Research-status Report
「造形遊び」の体系化に基づくモデル題材の開発及びその映像化に関する研究
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18K02671
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
山田 芳明 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (80363175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 正寛 畿央大学, 教育学部, 教授 (50441449)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高学年 / 造形遊び / 授業 / 映像 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度(平成31年度)末までで,昭和52年告示の学習指導要領から平成29年度告示までにおける「造形遊び」の内容の位置付けや取り扱いの差違について分析し,令和元年末の学会で発表し,それを踏まえて開発した高学年の「造形遊び」の題材について,研究協力を承諾して下さっている二つの学校で撮影収録する予定であった。 しかし,令和2年2月頃より新型コロナウイルス感染症が拡大に伴って4月当初に緊急事態宣言が発令されたのを受け,協力を依頼していた学校を含め全国の小学校が休校となるなど,その後5月下旬より順次登校できるようになるも,学校関係者以外の入校が厳しく制限されるなどの状況が続いたため授業映像の収録を断念せざるを得なくなった。 また,学習指導要領における「造形遊び」の位置付けや取り扱いについて,元教科調査官等への聞き取りを行う予定であったが,同様に新型コロナウイルス感染拡大に伴い,他県への移動等が厳しく制限され,感染予防の観点から聞き取りの収録も見送ることとした。以上のような状況から,令和2年度を最終年度としていた研究計画を一年間の延長する申請を行った。 結果,令和2年度中は,オンライン活用して改めて記録として撮影収録する高学年の造形遊び題材について見直しを行うと共に,令和元年度に収録した「造形遊び」に関する板良敷敏氏の講演を研究の一部として分析を行い,その編集を行った。また,映像編集等の準備としてPC及び周辺器機を購入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の研究計画では,研究最終年次である令和2年度は,実践協力校の協力を得て7月末頃までには高学年の「造形遊び」のモデル題材の実践を行い,それを映像として収録し,9月末頃を目途に編集を終え,その内容について現場の教員からの意見聴取を行い,12月末を目途に分析を行い,令和3年3月の学会において発表する予定であった。 しかし,令和2年3月頃より新型コロナウイルス感染症が拡大に伴って4月当初に緊急事態宣言が発令されたのを受け,協力を依頼していた学校を含め全国の小学校が休校となった。その後5月下旬より順次登校できるようになったものの,文部科学省が示した「新型コロナウイルス感染症に対応した小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における教育活動の再開等に関するQ&A」等を踏まえると,児童が共同で活動することが前提となるような「造形遊び」授業の実施は難しく,また,令和元年末の全国一斉休業等に続く4月当初からの休校措置等の関係から,授業時間の運営も厳しい状況であること等もあり,新型コロナウイルス感染症の終息を見極めて映像収録等を行うべく準備をしていた。しかし, 11月頃より再度感染が拡大し現場への協力依頼が難しくなり,令和2年度の本研究の授業映像の収録を断念せざるを得なくなった。 また,学習指導要領における「造形遊び」の位置付けについて取り扱いについて,元教科調査官等への聞き取りを行う予定であったが,同様に新型コロナウイルス感染拡大に伴い,他県への移動等が厳しく制限されるなどしたことから,感染予防の観点から聞き取りの収録も見送ることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は,研究の最終年次として,再度実践協力校の協力を得て,7月末頃までには高学年の「造形遊び」のモデル題材の実践を行い,それを映像として収録する。なお,新型コロナウイルス感染症の収束が見込めない場合には,学校を訪問しての映像収録が難しくなることから,協力校の教員に映像収録を依頼するなど,善後策を講じる予定である。 また,収録した映像は9月末頃を目途に編集を終えた後は,本学のサーバーで管理し,研究協力者の現場の教員に視聴及びアンケートを依頼し,それを分析し,研究の成果としてまとめる予定である。 一方,学習指導要領における「造形遊び」の位置付けや取り扱い等の元教科調査官等への聞き取りについても,緊急事態宣言下であっても令和2年度当初よりも移動制限がかなり緩和されていることもあることから,実施可能と見込んでおり,その成果については,報告書としてまとめる予定である。 なお,収録した映像は個人情報の保護に十分配慮したうえで一定期間本学のサーバー等で保管し,より多くの視聴を希望する教員に限定公開する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては以下の通り。 令和2年度当初より新型コロナウイルス感染症が国内で拡大した影響で,研究計画上,当該年度の主要な内容として予定していた協力校による「造形遊び」の授業実践及びその撮影と記録編集等一連の活動を延期せざるを得なくなった。また,元教科調査官等への聞き取り調査についても,感染予防の観点から延期せざるを得なくなった。これらのことから,収録等に関連する物品費,旅費及び人件費,謝金を執行できなかったため,次年度使用額が生じた。また,研究期間を次年度ま延長したことにより予定していた研究成果報告書等の作成も延期することとなり,印刷出版費等の執行も次年度に繰り越しをすることとした。 次年度期間中,新型コロナウイルスの国内感染の収束後,学会参加及び研究打ち合わせ,聞き取り調査を行う際に旅費を使用する予定である。また,実践収録や聞き取り調査を行う際に謝金を使用する予定である。
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