2020 Fiscal Year Research-status Report
双方向コンテンツのプログラミング教材開発と生体情報モニタによる評価方法の検討
Project/Area Number |
18K02674
|
Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
白石 正人 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (70216183)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | タブレット / プログラミング題材 / 双方向性のあるコンテンツ |
Outline of Annual Research Achievements |
GIGAスクール構想による生徒へのタブレットの配布を想定して,タブレット単独で学習可能なWebアプリの教材を開発している。これは,アクティビティ図を描画することでJavaScript(jQueryも含む)言語に変換するWebベースの学習用プログラミング開発環境を構築するための学習用インターフェースあるいはプログラミング教材である。プログラミング経験に乏しい中学生にとってテキスト型プログラミング言語のコーディングは難易度が高いため,アクティビティ図による簡易型のプログラム手法が相応しいと考えたからである。構想・設計したプログラミング課題毎にブロック化された処理要素(アクティビティ図における要素)を予め課題として用意し,課題として提示された処理要素をお互いに結線することでHTMLやJavaScriptを自動生成できるビジュアル型のプログラミング環境をWebアプリとして開発している。 本年度は,引き続きこのWebアプリの開発の開発を継続するとともに,学校現場からの要望により,双方向コンテンツのプログラミング題材について基本機能から課題として追加可能なモジュール型のプログラミングスタイルを開発し,音声認識と合成機能を用いた英会話教材用Webアプリを開発し,評価した。これは,本開発環境に適用可能なプログラミング題材として利用可能であり,その指導計画も提案した。 その成果については,日本産業技術教育学会で発表するとともに一部の成果は,すでに学術論文として掲載されている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では,タブレットを援用した学習用プログラミング開発環境を構築するための学習用インターフェースあるいはプログラミング教材を開発し,学部学生を対象とした試行授業においてそれらを試行し,被験者の生体情報を複数の手段で測定し,科学的な教材評価の検討および検証を行うとともに,学習効果が認められたものについては,実際の中学校等において授業実践に供することを目指している。 本研究では,3年計画であり,2年目にWebアプリとしてプログラミング支援環境を構築しつつ,生体情報を利用した評価システムの検証を行うことである。アクティビティ図の描画からJavaScriptプログラムを生成するプロセスは開発できたが,分岐処理への対応やJavaScriptソースファイルの編集機能などが求められており,それへ対応するためにさらに開発を継続しなければならない。また,学校現場からのプログラミング題材とそれを実現するサンプルプログラムへの要望が強く望まれ,プログラミング支援環境の高度化とともにプログラミング題材への対応を行う必要が生じた。そのため,小学生向けの音声認識および音声合成機能を有する英会話教材用Webアプリの開発とその中学生向けプログラミング題材化について,検討を行った。当初の研究計画の予定は,一定程度進んでいるものの,新型コロナ対策として授業実践および評価が難しく,想定外の対応を余技なくされており,課題を積み残している。 また,学会の編集委員長に就任したことと,建物の改修工事とその担当者となったため,本研究への取り組みが十分にできなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
開発しているプログラミング支援環境を引き続き開発継続するとともに,ソースプログラム編集機能などの機能の高度化を検討し,引き続きプログラミング題材の開発と新たな指導法を検討する。また,開発教材を用いた学習指導案と学部学生を対象とした試行授業によって,開発した学習環境等を評価する。評価に際しては,携帯型脳活動計測装置を用いた被験者の脳血流量等を計測して,学習効果の検討を行う。もちろん,プログラミング課題の難易度や理解度についても当該装置を用いた評価について検討する。学習効果が高いと認められたものについては,実際の学校現場において学習効果を検証する。開発した教材や学習インターフェースについては,成果のあった学習指導案や学習プリント等と併せてWeb上で公開する。また,これらの成果については,日本産業技術教育学会等で学会発表および論文投稿を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナの影響により,生体センサを用いた授業実践や授業評価の目途が立たなかったため,これらを購入することができなかったことや出張がすべてオンラインでの会議に変更されたため,これらの支出がなくなった。本年度は,GIGAスクール構想を想定したタブレット端末としてChromebookやiPadが教育現場に導入されている。これまで開発したプログラミング題材がこれらの新しいタブレット上で動作するのか検証するとともに,生体センサ―の購入や検証のための統計処理ソフトウェア等の購入を予定している。
|