2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Female Music Educators in the Taisho and Showa Eras: A Focus on Toshi Masuko and Tsuyae Kobayashi
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18K02678
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
松本 晴子 宮城学院女子大学, 教育学部, 教授 (50453353)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 思い出のアルバム / まつぼっくり / 子ども主体のうたの歌詞 / 児童の興味と関心にそった指導法 / 子どもをまっすぐ見つめる教師 / 音楽を楽しむ指導者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大正・昭和期に音楽教育に尽力した女性音楽教育者の中から、増子とし(以下とし)と小林つや江(以下つや江)に着目し、としとつや江の人と業績について調査、研究を行った。一般的にとしは《思い出のアルバム》の作詞者として、つや江は《まつぼっくり》の作曲者として知られているが、それ以外についてはこれまで注目されることが少なく、それぞれの人物像とその歩み、業績について体系的に整理されたり研究が進められたりすることはなかった。 本研究を通して、2人の人物像と業績について整理し考察したことによって、2人が音楽指導に残した示唆と同時に、大正・昭和期に女性音楽教育者が貢献したことを確認できたことは成果である。加えて2人の業績を集約できたことは資料としての意義が十分にあり、今後の研究者に役立つと考える。 2人の業績の概要は、としは幼児教育の分野で身体表現をともなった音楽リズムの大切さを認識していた。また、子どもの発する子どものこどばで歌うことのできる歌詞づくりに心を注いだ。としの教育理念は子ども主体の教材、子ども主体の指導法であったことが確認できた。つや江は小学校の音楽専科教員として多くの子どもの歌詞に作曲していたこと、わかりやすい音楽指導法の実践例を多く残していることが確認できた。つや江は児童の日常の行動や興味と関心にそった音楽指導であることを理念として、児童が楽しく主体的に活動できる音楽の授業の展開を大事にしていた。 総括として、としとつや江の接点と共通点について考察を進めたことによって、2人が保育要領改訂委員として面識がありある程度の交流があったことが示された。さらに2人ともに音楽を愛し子どもを愛し、子どもを中心とした音楽教育に向き合っていたことが明らかになった。
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