2019 Fiscal Year Research-status Report
基礎的な包丁操作スキルを習得させるためのバイオメカニクス的根拠と教示方法の明確化
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18K02681
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
秋山 久美子 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (80155291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 健太郎 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (90359662)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 包丁操作 / バイオメカニクス / 家庭科 / 教示方法 / スキルアップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、基礎的な包丁操作を研究対象として、バイオメカニクス的手法を用いながら検討を行うことで、合理的で理想的な包丁操作とはどのようなものであるか、その根拠を明らかにし、それを解明することにより、正しく、効率の良い包丁操作を習得する方法を見出すことである。包丁操作として、様々な植物性食品の皮むきのモデルとして、リンゴの丸剥きの研究をさらに発展させ、筋電計やモーションキャプチャーを用いて測定するとともに、きゅうりの小口切り(細長いものの切断モデル)、大根の千切り(平坦なものの切断モデル)についても研究を行う。 令和元年度は、きゅうりの小口切りという包丁操作について、スキルの高い熟練者とスキルの未熟な初心者の比較検討を行った。これは、包丁を持つ手のリズミカルな上下運動に合わせて、規定の長さが切れるように反対の手を少しずつ動かしていくという両手の動きと発揮する力を繊細に制御する必要のある微細運動技能を要する動作である。まず、約160名の包丁スキルが初歩レベルの被験者を集めて、スクリーニング調査を実施した。その中から、6名の被検者を選び、動作のバイオメカニクス的計測として、①両手の手指の動きをモーションキャプチャーで記録した。②両手の上肢の動作に関与する筋活動を筋電図(EMG)により記録した。その結果をもとにスキルの高い熟練者とスキルの未熟な初心者の違いを明確にし、包丁技術を教示する上でのコツを解析した。その6名に対して、作成した教示用動画を見せ、口頭で説明を加えた上で考案した練習用キットを用いて自主的な練習を続けてもらった。その成果をみるために、再度、モーションキャプチャーなどのバイオメカニクス的測定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目の計画にあるきゅうりの小口切り操作のスクリーニング調査を約160名分実施することができ、調理初心者の実態を把握することができた。また、その中から選択した被験者6名によるきゅうりの小口切りにおけるバイオメカニクス的測定を実施した。モーションキャプチャー、筋電計の測定を行うことができたが、包丁にかける圧力等は機器の購入が遅れたために測定できなかった。 スクリーニング調査の結果から、きゅうりの小口切りにおけるポイントを見出すことができたので、それをもとに教示用の動画を作成し、それを用いて授業を行った上で、練習を続け、その効果の測定まで終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
植物性食品の皮むきモデルとしてのリンゴの丸剥き操作における熟練者および未熟者の測定は、手指、包丁にかかる圧力測定を除いてほぼ終了している。細長いものの切断モデルとしてのきゅうりの小口切りは、バイオメカニクス的計測は終了し、教示方法の効果の測定は、6名の被検者については終了している。しかし、多人数に対する実際の教育現場での試行には至っていない。今後は、40名単位の授業においてその教示方法が適切で効果的であるかについて検討を行っていく。また、平坦なものの切断モデルとしての大根の千切りについても、同様に研究を行っていく。 それぞれスキルの高い熟練者とスキルの未熟な初心者の測定を行い比較検討していく。これらも両手の動きと発揮する力を繊細に制御する必要のある微細運動技能を要する動作である。動作のバイオメカニクス的計測として、①両手の手指の動きをモーションキャプチャーで記録する。②両手の上肢の動作に関与する筋活動を筋電図(EMG)により記録する。③剥く操作中の脳波を測定する。④手指に掛かる圧力を圧力センサー付きグローブを用いて測定する。その結果をもとにスキルの高い熟練者とスキルの未熟な初心者の違いを明確にし、包丁技術を教示する上でのコツを解析していきたい。
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Causes of Carryover |
本研究において、手指のどの部分にどのように力が入っているのかを検討するためのフィルム式圧力分布測定システム一式を購入する必要があったが、装置の柔軟性(手に違和感なく使用できる)、防水性(リンゴ等に接する)等の観点から機器の選定が難しく時間を要している。2020年度にはなるべく早い選定と購入を進めていく予定である。また、前年度までと同様にスクリーニング調査と測定を行う予定であることから、試料用の食材(リンゴ、きゅうり、大根等)、バイオメカニクス的記録を実施するための実験消耗品(赤外線マーカー、筋電計センサー)が必要である。また、実験における大量データを処理するためのパソコンとデータおよび動作を記録したビデオデータの保存のためにデータ保存用メディア(SDカード、USBメモリー、DVDディスク等)の購入も必要である。さらに、研究参加者への謝金、研究補助者への人件費が必要となる。研究成果については、国内外を問わず、学会および学術雑誌への投稿を通じて精力的に発表する予定である。それに必要な旅費、および専門業者による英文校正の謝金、学術雑誌への論文投稿料・掲載料(オープンアクセス費用含む)が必要となる。
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Research Products
(1 results)