2018 Fiscal Year Research-status Report
資質・能力形成と教科内容の関連についての実践的研究
| Project/Area Number |
18K02685
|
|---|
| Research Institution | Chubu University |
|---|
Principal Investigator |
子安 潤 中部大学, 現代教育学部, 教授 (90158907)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
| Keywords | 資質・能力ベース / 教科内容ベース / 問題解決学習 / 教育のスタンダード化 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
教科に固有な見方・考え方とは何か、資質・能力ベースとは何かについて学習指導要領並びに研究開発学校をはじめとした言説の検討をおこなった。そのために、研究開発学校の発表会等へ出かけて資料を収集した。また、このテーマに関する理論的著作の収集と検討を行った。
それらの検討の結果については、教育研究を目的とした書誌に６件ほど執筆・寄稿し、発刊された。刊行誌のタイトルと号数のみを以下に記す。
広島大学附属小学校学校教育研究会・学校教育№1208、日本生活教育連盟編・生活教育第70巻第7号通巻第836号・生活ジャーナル、教育科学研究会編・教育№871・かもがわ出版、体育科教育編集部・体育科教育2018年８月号・大修館書店、児童言語研究会・国語の授業265号・子どもの未来社、全国生活指導研究協議会・生活指導2018年12/1月号№741・高文研、歴史教育者協議会編・歴史地理教育2019年３月増刊号№892
さらに、新たな研究データを取得するべく、試行的な授業と考えられる学校や教師の授業参観をいくつか行った。そこでは研究開発学校の動向を踏まえつつ、当該校の中心的な教師たちと懇談し、実践の意図や課題としている点をつかむ努力を行っている。
さらに、韓国の教師へのインタビューを実施した。予算と時間等の制約があることから、今回は三名にインタビューした。インタビューは了解を得て録音後、データとして文字起こしをし、分析検討を行っている。その結果は学術誌に投稿を行った。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教科に固有な見方・考え方とは何か、資質・能力ベースとは何かについて学習指導要領並びに研究開発学校をはじめとした言説の検討、このテーマに関する理論的著作の収集と検討を行った。それらに関しては、教育研究誌に６件ほど執筆し、刊行された。そこには旧来の授業づくりとは異なる方向が模索されているが、ある種の定型化が見られるなど課題があることも見いだせた。
また、新たな研究データを取得するべく、試行的な授業の参観をいくつか行った。次年度以降の調査データを取得するために、文科省の指定を受けている研究開発学校の研究報告会に参加し、その学校の中心的な教師たちと懇談し、研究動向の把握に努めた。
さらに、日本よりもいくらか早く「資質・能力」を課題化した教育課程へ舵を切った韓国の教育の経験を調査するために、韓国の教師へのインタビューを実施した。そこには従来の教育活動を変える試みが確かに存在するが、なお様子見と言った姿勢もあり、それ自体を課題化しつつあることが見えた。このインタビューは、なお人数が少ないため、これを補う文献的な調査とインタビュー数を増やす努力を続けたい。
|
| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究活動は、三つを中心に行う。
一つは、教科内容と諸能力の形成に関わる教育実践の探索を行うこと。これを通じて先端的試みの意味・可能性に関する手がかりを得ることを期す。萌芽的であるとしても全国に目を向けて探索する。内容と能力形成に関する革新的な実践的試みが見いだせるかどうかが、決定的に重要であり、その試みを研究開発学校を含めて訪問・観察することにしたい。
二つは、そのための文献研究を地道に続ける。背景となっている理論の分析を続けたい。分析の視点を更新する上でも基本となる。
三つは、昨年実施した教師インタビューを継続するため、インタビューの準備を進める。韓国の別の地域・人に再度実施することで、データを増やし、分析の精度を高めたい。インタビューは相手のあることでもあり、準備に時間をかけて今年度から来年度にかけて実現に向けて再度連絡をとる計画である。
|
| Causes of Carryover |
7425円の差額は、文字起こし業務の見込額が安い方に抑えられたことによる。この分については、書籍を購入する予定としている
|
Research Products
(7 results)
