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2021 Fiscal Year Research-status Report

資質・能力形成と教科内容の関連についての実践的研究

Research Project

Project/Area Number 18K02685
Research InstitutionChubu University

Principal Investigator

子安 潤  中部大学, 現代教育学部, 教授 (90158907)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2023-03-31
Keywords教育の画一化 / 教育のICT化 / 教育内容統制 / 教育方法統制
Outline of Annual Research Achievements

感染症による学校教育への影響の下、研究対象と研究方法が当初の予定とは違ってきたが、本来のテーマに可能な限り沿うべく、以下の学会等での報告や著作を刊行した。
一つは、『画一化する授業からの自律』学文社より2021年9月に刊行し、現在の学校教育を画一化させる要因の分析を行った。ここでは内容統制と方法統制を国家から個別学校単位の各レベルに分けて考察を行った。急速に進むICT化もその利用の権限を個々の学校や教師に委ねること、教育内容研究等の教材研究の絶えざる更新を教師に委ねる方策を意識的に追求しない場合、教育の画一化をもたらし、ここの地域や学校、子どもの実情に応じたものにならないことを指摘した。
二つは、中国四国教育学会のシンポジウム「ポストコロナの教育を展望する」の指定討論者として登壇し、GIGAスクール政策によって進行する学校教育のICT化の課題、授業づくりの展開動向、人新世と教育の関わりについての議論を行った。なおこのシンポジウムの報告者は、中国四国教育学会編『教育学研究ジャーナル』第27号に所収され公刊されている。
三つには、広島大学の研究プロジェクトEVRIの企画『子どもの声を聞く』公開研究会に登壇し、感染症下の子どもの変容という観点から議論に参加した。このプロジェクトの記録は、2022年度に著作として刊行が予定されている。
四つには、個別最適な学びと協働的な学びの捉え方やその具体化の動向に関する教師への聞き取りを行い、それらをデータとした論文を執筆した。その一部は、『人間と教育』114号に掲載予定となっており、この夏には発刊されることとなっている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本来は、「資質・能力形成と教科内容の関連についての実践的研究」として、教科内容把握と授業のあり方から資質・能力形成への影響について実践を観察しながら多角的に考察することを構想していた。しかし、感染症の拡大と継続に伴って、直接的な学校を訪問しての観察が困難となった。またGIGAスクール政策の進行で授業のつくりかたにも変化が生まれてきた。そこで、こうした変化の動向が、教科内容把握にどのような変化を与えているか、さらに授業の構成の仕方にどのような変化が生まれているかを研究の重点に位置づけることで、研究テーマに迫ることとした。
授業の直接的な参観は困難であったが、オンラインによる参加、オンラインの研究会等には趣旨に沿ったものには参加するように努めた。また、この問題意識と議論に関心を寄せて頂き、学会等での報告もいくつか依頼された。
こうしたことを勘案すれば、多角的な追求という点では限定がつくが、教育関連学会の中では一定認知されている点で概ね順調に進展しているといって良いであろう。

Strategy for Future Research Activity

科研の延長も最後の年度となり、多角的な追求をいくらかでも遂行するために、感染症の動向に左右される可能性はあるものの、学校を訪問しての実践の観察機会を拡大したい。ただ訪問するのではなく、意欲的試みを現下の状況で行っている教師の実践をたとえ多くなくとも考察することに努めることとしたい。
二つは、これまでの関連著作や新規考察を論文化し、関係者に広く公表するよう努めることを予定している。
そのために、参観予定教師との交渉を夏前に進め、可能な限り早く実施するべく準備を始めた。また、これまでの著作をそのままではなく、再構成するべくプロットを作成することとしている。

Causes of Carryover

感染症の蔓延が継続したため、予定の予算執行ができなかった。そのため、主に文献の収集のために予算を執行した。
今年度は、研究のための移動が認められる可能性が拡大しているため、学校等への調査旅行と研究のまとめ並びに文献の収集を中心に予算を支出する予定である。

  • Research Products

    (7 results)

All 2022 2021

All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 指定討論 学びと生活の豊かさの探究へ2022

    • Author(s)
      子安潤
    • Journal Title

      中国四国教育学会第73回大会 シンポジウム成果報告書・資料集

      Volume: 第27巻 Pages: 27-30

  • [Journal Article] 「個別最適な学び」の虚像と実像2021

    • Author(s)
      子安潤
    • Journal Title

      高校生活指導

      Volume: 第212号 Pages: 88-98

  • [Journal Article] 授業の画一化と教師の自律性2021

    • Author(s)
      子安潤
    • Journal Title

      日本教師教育学会年報

      Volume: 第30号 Pages: 88-98

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] GIGAスクールの不協和と協働学習の課題2021

    • Author(s)
      子安潤
    • Journal Title

      歴史地理教育

      Volume: №932 Pages: 114-121

  • [Journal Article] 教育の画一化と授業のICT化の課題2021

    • Author(s)
      子安潤
    • Journal Title

      教育学の研究と実践

      Volume: 第17号 Pages: 65-69

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 学びと生活の豊かさの探究へ2021

    • Author(s)
      子安潤
    • Organizer
      中国四国教育学会第73回大会 シンポジウム
    • Invited
  • [Book] 画一化する授業からの自律2021

    • Author(s)
      子安 潤
    • Total Pages
      203
    • Publisher
      学文社
    • ISBN
      978-4-7620-3108-3

URL: 

Published: 2022-12-28  

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