2018 Fiscal Year Research-status Report
The Instructional Materials Development of the Multi-cultural Oriented Issues to Advance "the Global Partnership" Through the Japan-US Collaborative Action Research
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18K02688
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
小原 友行 福山大学, 人間文化学部, 教授 (80127927)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | グローバル・パートナーシップ / 多文化間イシュー教材 / 相互交流型教材 / 協働的アクションリサーチ / 多文化理解学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、大きく次の5点の研究実績をあげることができた。第1に、「グローバル・パートナーシップ」を育成するアクティブ・ラーニング型の新たな多文化理解学習に関する理論仮説とそれ基づく教材開発のためのフレームワークを、日米協働で構築することができた。 第2に、構築した理論仮説に基づいて、多文化理解学習のための教材として有効と考えられる3種類の「多文化間イシュー教材」の一つである「相互交流型教材」の実例として、単元「幕末の日米交流物語~ジョン万次郎とラナルド・マクドナルド~」を日米での現地調査に基づいて開発した。 第3に、開発した教材を用いた研究授業を、日米両国の中学校第8学年のクラスの生徒に対して実施(日本は5月下旬に広島大学附属三原中学校、米国は9月下旬にノースカロライナ州グリーンビル市のC.M.エッペス中学校)し、その結果の吟味に基づいて教材の修正・改善を図った。また、日米両国の大学生に対しても実施(日本は9月中旬に広島修道大学の地理歴史科教育のクラス、米国は9月下旬にイーストカロライナ大学の歴史クラス)し、学習者が新聞記者となって歴史上の人物を時空を超えて取材し、その成果を「はがき新聞」形式で表現するというアクティブ・ラーニング型授業の有効性を検討した。 第4に、米国側の研究協力者を11月に招聘し、研究授業の分析・評価のための評価会議を開催するとともに、理論仮説および教材の修正・改善と次年度の研究計画の作成を行った。 そして第5に、2018年度の研究成果を、2018年10月20・21日に福山大学で開催された日本教材学会第30回研究発表大会において、「『グローバル・パートナーシップ』を育成する多文化間交流教材の日米協働開発~ジョン万次郎とラナルド・マクドナルドの日米交流物語~」というテーマで自由研究発表を行い、理論仮説および教材の吟味に基づく再修正を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度に予定していた研究の手順は、下記の5点であった。①インターネット等を用いて日米の協働チーム間で情報交換を行うとともに、「グローバル・パートナーシップ」を育成するための多文化理解学習の理論仮説と、それ基づく教材開発のためのフレームワーク(スコープとシークエンス、単元の授業デザインなど)を構築する。②理論仮説と教材開発のためのフレームワークに基づいて、「多文化間イシュー教材」としての「相互交流型教材」を日米協働で開発する。③開発した教材を用いた研究授業を日米両国において実施し、その結果の分析・評価に基づいて教材の修正・改善を図る。④日本において米国側の研究協力者や研究授業協力校の関係者を招請した教材開発のためのワークショップを、また米国において研究授業の分析・評価のための評価会議を開催し、理論仮説および教材の修正・改善を図る。⑤年度の研究成果を「広島大学グローバル・パートナーシップ・スクール・プロジェクト研究センター」のウェブサイトに掲載するとともに、全国社会科教育学会、日本NIE学会、日本教材学会等で発表する。 2018年度には、このような手順に基づいて研究を進めていった。⑤の研究成果の発信という点では、日本教材学会での発表にとどまったが、「多文化間イシュー教材」の三番目のタイプと考えられる「希望創造型教材」として、瀬戸内の里山・里海創生をテーマに教材調査を行い、日本NIE学会において「瀬戸内の里山・里海創生をテーマとした大学におけるNIE授業の開発~『新聞記者になる』の実践化~」を発表し、その内容を福山大学大学教育センターの機関紙である『大学教育論叢』第5号に「大学地理教育におけるNIE授業の開発(2)~地域創生をテーマとした単元『新聞記者になる』の実践化~」として掲載した。これらの点から、全体としては研究はおおむね順調に進展したと自己評価することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度の研究のリフレクションの基づきながら、今後の研究の推進方策として、2019年度には、特に下記の5点を重視しながら研究を加速させていきたい。第1に、2018年度に実施した研究授業の分析・評価に基づいて、多文化理解学習の理論仮説とそれ基づく教材開発のためのフレームワークの修正・改善を図っていきたい。第2に、2019年度に再構築した多文化理解学習の理論仮説と教材開発のためのフレームワークに基づいて、新たに「対立・葛藤型教材」を開発していきたい。具体的には、「戦争と平和の課題~パールハーバーとヒロシマ~」に関連する佐々木禎子さんや楮山ヒロ子さんの歴史物語を取り上げた教材の開発を考えている。第3に、開発した教材を用いた研究授業の実施を、日本では広島大学附属三原小学校および公立の東広島市立西条小学校の5年あるいは6年生のクラスで、米国ではノースカロライナ州グリーンビル市にあるエルムファースト小学校あるいはウオールコーツ小学校の5年生のクラスで実施し、その結果の分析・評価に基づいて教材の修正・改善を図りたい。第4に、日本において米国側の研究協力者や研究授業協力校の関係者を招聘した教材開発のためのワークショップを、また米国において研究授業の分析・評価のための評価会議を2019年度も開催し、理論仮説および教材の修正・改善を図りたい。最後に第5として、研究成果の公開と普及に関しては、全国社会科教育学会,日本NIE学会、日本教材学会等での発表および機関誌への投稿を考えていきたい。
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Causes of Carryover |
2018年7月にジョン万次郎に関する教材開発のための沖縄県糸満市への国内調査を計画し、そのための旅費としての使用を考えていたが、西日本豪雨災害等の影響でこの時期の調査が延期となった。そのため、年度末の2月に再度教材調査の計画を考えたが、その時には残額が少なくて、沖縄への現地調査が困難であることが判明した。そこで、次年度の助成金と合わせて、2019年度に国内調査を再度計画することとし、次年度使用額が生じることとなった。
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Research Products
(4 results)