2020 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring the possibility of computer-based learning support in the description process of "writing"
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18K02691
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
杉本 直美 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (40562450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨山 哲也 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (10413907)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 記述中 / 記述過程 / 作文指導 / 書くこと / 学習支援 / CBT / コンピュータ / 手紙文 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,国語科教育における作文学習において,学習者の記述中の様相に改めて目を向けることで,一人一人の学習者の記述中の実態を捉え,その過程で学習者が必要としている学習支援の内容を明らかにすることである。具体的には,中学生を対象に,手紙文を題材にしたCBT調査を行う。学習支援の要素として《知識的な要素》と《方法的な要素》を学習支援ツールとしてコンピュータ画面上に設定し,記述過程を可視化することを通してその活用を捉えた。 本研究の主な成果は,以下の三点である。 一点目の成果は,本研究の課題として設定した,学習者の手紙文における記述過程の実態の一端を明らかにすることができたことである。この成果は,前提として,国語教育における作文指導及び認知心理学における作文産出過程の知見を参考に,学習者の記述過程における学習支援の枠組みとして《知識的な要素》と《方法的な要素》を提出できたことによる。この枠組みにより,本研究の課題解決の方法としてCBT調査問題を作成し,学習者の記述過程を理論的に分析することが可能となった。その結果,手紙文における個々の学習者の記述過程の実態は一律ではなく,求める学習支援の要素と支援を求めるタイミングも様々であることが確認できた。二点目の成果は,学習者が手紙文の記述過程で必要とする学習支援の要素を明らかにしたことである。特に,「第1の調査」の結果を踏まえ,手紙文の記述過程における学習支援の要素を精査するための調査を行い,手紙文指導に有効な学習支援の要素を解明した。三点目の成果は,手紙文記述に必要な学習支援の要素を,そこで発揮される資質・能力の側面から分析することで,学習者がどのように学習支援の要素を選択して活用しているのかが新たに見いだされたことである。具体的には,手紙文において,学習者の記述過程の様相が5パターンに分類できることを明らかにした。
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