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2021 Fiscal Year Research-status Report

International Comparative Study on the Process of Anglicizing Courses at Universities of Non-English Speaking Countries

Research Project

Project/Area Number 18K02696
Research InstitutionSaitama University

Principal Investigator

長沢 誠  埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (40626090)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2023-03-31
Keywords英語化
Outline of Annual Research Achievements

非英語圏の大学における世界大学ランキングと大学英語化との関連性の検証を目的の一つにあげているが、調査対象を4か国(オランダ、韓国、フランス、メキシコ)として、文献・ウェブ調査を中心に計画を進めている。欧州全体として、アメリカ化がヨーロッパの言語に脅威を与えるため、言語政策の問題にもっと効果的に取り組むべきだとの提案もある。
上記にある4か国のうち、世界大学ランキングにある大学を個別に概観し、さらにウェブサイトから得られる情報に着目した。(2021年度200位以内:オランダ9大学、韓国7大学、フランス5大学、メキシコ2大学)例として、オランダ国内では、英語が社会・文化・経済において重要な意味を持ちはじめており、より文化的にも社会に組み込まれていく可能性が議論されている。外国人学生が10%ほどを占めるオランダの高等教育では2000を超える学位プログラムを英語で提供している。最上位(QSランキング)に位置するデルフト工科大学は、42の学位プログラム(学部3、修士39)を、同国内2位に位置するアムステルダム大学は211プログラム(学部20、修士171、短期プログラム20)を英語で提供している。
オランダの大学では、明確な政策枠組みと質保証の手法が示されないままに、急速な講義の英語化が実施されたことを指摘する文献も確認された。この点に関しては、国際化や英語化に時間をかける日本の大学からも学ぶところがあるとの指摘もある。また多言語主義の歴史を持つオランダであるが、高度な英語化が進んだ場合、現在も主要言語であるオランダ語とその文化の消失が懸念されている。また、大学が「英語化と独自言語・文化の保護」の調整のための重要な役目を担っていることも意識されている。今後もウェブ調査をもとに各国における各大学のケースを掘り下げ、英語化政策と並行して、大学レベルで講義の英語化導入の変遷を調査したい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究では、日本を含む非英語圏の大学における「英語化」の実態とその意義を明確 にすることを目的としている。欧州の例などから、多言語でコミュニケーションを行う能力が社会経済の発展や企業の競争力を向上させるため、多言語教育の中核にある国際的なコミュニケーションの向上が、日本の経済的・政治的地位を高める上で重要であると議論する一方で、日本の高等教育における英語の実施に関する3つの主要課題は、言語的、文化的、構造的な問題であることも確認している。日本の教育制度やカリキュラムにおいても、都市部と地方における社会のニーズの違いや受験英語(教養)に対する実践英語(技能)の存在や政治経済の影響を受け、「英語」教育やその意義の変遷を確認し、教育内容が変容していったことが明らかになった。また国際社会・経済での優位性と共に、非英語言語の機会の減少と能力喪失の可能性など、英語の広範な実装によってもたらされる機会と脅威の両方について議論した。
今年度(令和3年)は新型コロナウイルスによる外出規制ならびに海外渡航の禁止等が緩和され始め、国内外の学会等もオンライン・ハイブリッド開催なども実施されたが、変異株の出現等で規制の変化も一進一退の状況であった。それに伴い、研究・教育における手法の変更など研究が思うようにいかず、完全に規制下にあった昨年度(令和2年)よりも複雑な状況を作り出した側面もあった。

Strategy for Future Research Activity

コロナ禍の特例としてさらに一年間延長した本年度の研究推進の方策としては、現状で可能な限り、本調査の特徴でもある「講義」の英語化に集中して調査を進めたい。また、新型コロナウイルスは、「未来の訪れを速める」との仮説もある中、コロナ以前の大学国際化や英語の在り方との比較にも注視したい。また、ウクライナ危機で加速するであろう移民問題と並行して、今後さらに変化をもたらす可能性のある言語政策ならびに大学における「ニューノーマル(新常態)」に関連しても何らかの結論を導き出したい。新型コロナウイルスの終息は見えていないため、今後も文献研究やウェブ調査に重点を置くことになるが、国内外の研究者とオンラインによる打合せ・意見交換等もこれまで以上に実施する。また学会などのオンライン化が進む一方で、本研究実施の最終年度ということで、可能な範囲で現地に赴き、インタビュー、データ収集、意見交換、ネットワーキング、情報発信などを試みたい。また、昨年度から準備しているICT設備などを有効活用したい。来年度(最終年度)は、非英語圏の大学における世界大学ランキングと大学英語化との関連性を重点的に調査し、後半では「講義」に着目し、結論に結び付けたい。

Causes of Carryover

今年度は新型コロナウイルスによる外出規制ならびに海外渡航の禁止等が緩和され始め、国内外の学会等もオンライン・ハイブリッド開催なども実施されたが、変異株の出現等で規制の変化も一進一退の状況であった。それに伴い、当初計画されていた旅費や研究交流に予算を割けなかった。次年度は、可能な限り、旅費や謝金支払いなどを伴う活発な研究交流を実施したい。

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Published: 2022-12-28  

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