2022 Fiscal Year Research-status Report
International Comparative Study on the Process of Anglicizing Courses at Universities of Non-English Speaking Countries
Project/Area Number |
18K02696
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
長沢 誠 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (40626090)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大学国際化 / 英語教育 / 多言語主義 / 留学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、オランダ、韓国、フランス、メキシコの4か国に焦点を当てているが、2020年から新型コロナウイルスの影響により進捗は遅れている。その間、確認できたことは日本、メキシコ、フランスなど非英語圏の大学は、国際化の需要の増大やグローバル競争力の向上を目指して、ますます英語を教授言語として採用しているということだ。日本では、多くの大学が英語でのプログラムや授業を導入し、留学生の獲得や異文化交流の促進を図っている。これらのプログラムは、ビジネス、科学、工学などの分野を重視し、グローバルな協力や研究発信において英語力が重要視されている。同様に、メキシコでも英語でのコースやプログラムの提供が増えている傾向が見られる。この移行は、学生をグローバル化された労働力として準備し、学術的な移動を促進することを目的としている。メキシコの大学は国際機関との協力を行い、外国人教員を招いて英語での授業を行っている。ただし、学生と教員の言語能力と文化的適応のための適切なサポートを提供することは、重要な検討事項となっている。一方フランスでは、英語を教授言語とすることに関して議論が行われている。他の欧州の国々と同様にフランス語やフランス文化の浸食の懸念が持ち上がっている。政府はフランス語の重要性を保持しながら、バイリンガリズムや多言語習得を促進するための措置を実施している。しかし、これらの懸念にもかかわらず、実質的に英語でのプログラムへの需要は増加し続けており、英語がグローバルな共通語として認識され、国際学生の獲得を目指す必要性があると考えられている。この変化は、人の移動が再開した世界において、学術的および経済的な成功に不可欠な英語力を認識した結果だといえる。ただし、各国はそれぞれ独自の課題に直面しており、英語を教授言語とする一方で、母国語や文化の保護にも取り組む必要性を示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで研究の進捗が思うように進まなかったが、今年度は、新型コロナウイルス感染拡大による大学の国際化の在り方や英語の役割に関連し、将来的に新たな動向をもたらす可能性について考えていきたい。引き続き、文献研究に重点を置きながら、国内外の研究者とはオンラインを通じた打ち合わせなども積極的に試みたいと思っている。また、学会などがハイブリット化の傾向にある一方で、昨年度から実施しているICT設備などに対する予算の効果的な活用方法を継続的に模索している。それを基に、昨年度の目標としていた非英語圏の大学における世界大学ランキングと大学の英語化との関連性に重点を置いて調査したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで研究の進捗が思うように進まなかったが、今年度は、新型コロナウイルス感染拡大による大学の国際化の在り方や英語の役割に関連し、将来的に新たな動向をもたらす可能性について考えていきたい。引き続き、文献研究に重点を置きながら、国内外の研究者とはオンラインを通じた打ち合わせなども積極的に試みたいと思っている。また、学会などがハイブリット化の傾向にある一方で、昨年度から実施しているICT設備などに対する予算の効果的な配分を継続的に模索している。それを基に、昨年度の目標としていた非英語圏の大学における世界大学ランキングと大学の英語化との関連性に重点を置いて調査して、結果を総括として発信したいと考えている。
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Causes of Carryover |
これまでの渡航規制等により旅費の使用が制限されたため。最終年度は、関連の学会等にて情報収集し、遅れている研究を包括的に網羅したいと考えている。
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